『まめジャー!』インタビュー
豆柴の大群、全メンバー個別インタビュー 初の全国ツアー&新アルバム『まめジャー!』を経た課題と成長を語る
ハナエモンスター「自分の言葉で気持ちを伝えるのが苦手で……」
ーーハナエさんは初のワンマンライブの開催に、どのような気持ちでいましたか?
ハナエモンスター(以下、ハナエ):ライブの延期、中止があってからの開催だったので、すごく時間をかけて作ってきたライブで。もしかしたら無観客かもなって思っていたんですけど、有観客でライブができて。まずはライブが出来たこと自体が嬉しかったです。
ーーワンマンライブの開催時点では、「ガーデニング」と「僕がいい」がハナエさんが手がけたメンバー唯一の作詞曲でした。やっと豆粒の前で歌えたという思いもありましたか?
ハナエ:そうですね。生でパフォーマンスする時は、表情や歌声に乗せられる気持ちの強さも変わってくるし、自分の思いが一番伝わると思っていて。それを生でみなさんに伝えられたのは嬉しかったし、それに対してTwitterや手紙で「よかったよ」と反響をいただけると、改めて歌詞を書いてよかったなって思いました。
ーーライブ映像として、改めてハナエさんがここを観て欲しいというポイントはありますか?
ハナエ:ダンスですね。がむしゃらに踊るだけでなく、その曲調にあった踊りをしようと心がけているので、ハナエモンスターに限るんだったらダンスを観ていただきたいです。アップテンポの曲や可愛い曲もキレ良く踊ろうと思うんですけど、「ドンクサハッピー」だけは滑らかに、艶っぽく踊ろうと意識しながら踊っています。
ーーハナエさんはWAgg(所属事務所WACKの研究生ユニット。ハナエモンスターはWAggから昇格した)としても、今までたくさんのステージに立ってきたわけですが、豆柴としてステージに立って感じる思いはやはり違いましたか?
ハナエ:WAggの時は持ち曲が1曲もなかったので、先輩の曲をカバーさせてもらっていました。毎月、公演ごとにセトリの曲が全部ガラッと変わったりしていたんです。自分の持ち曲で一つのライブが出来るのは気持ち的にも違って、それを聞きに来てくれるお客さんもいて。それはやっぱり違いましたね。ツアーで今回行ったライブハウスって、ほとんどWAggで行ったことのあるライブハウスだったんですけど、初めてライブをしたような気持ちになりました。
ーー渡辺淳之介さんからは、何か言われましたか?
ハナエ:初めてのワンマンをやった時は「よかったけど、体力がない」って言われて、そこからの『実力をしっかりとつけるツアー』だったので。そこは重点的にやっていかないとだなっていうのはツアーを通して思いました。
ーーハナエさんとしては体力のほかに課題はありましたか?
ハナエ:豆柴のメンバーは、自分の言葉で気持ちを伝えるのが苦手で。ツアーでMCを何回かさせてもらう機会があったんですけど、用意した言葉を台本みたいに丸暗記して言っている自分がいて。それでは伝わらないなと思うし、そもそも台本を丸暗記してるアーティストはいないなって。だから、ステージに立った時に自分の気持ちをそのまま伝えようと、このツアーで気付けました。実際、事前に用意せずにその場で思ったことを伝えられたのは成長なのかなって思います。語順とか文章にしたら汚いんですけど、豆粒のみんなにも伝わっていたらいいなっていう気持ちです。
ーーハナエさんがツアーを通して気付けたことはありますか?
ハナエ:ワンマンライブでは、後ろまで見えているのは見えているんですけど、顔の表情までははっきり見えていなくて。ツアーのライブハウスでは一番後ろのお客さんまで顔が見えて、この曲ってこうやって盛り上がるんだとか、こうやって楽しんでるんだっていうのは、はっきり分かりましたね。
ーー全員とアイコンタクトができるくらいの距離でしたもんね。
ハナエ:そうですね。コロナの影響もあって着席で、キャパも半分かそれ以下だったので、全員と目が合うようにしました。
ーーツアーを通して、メンバーとも絆が深まったのではないですか?
ハナエ:「この人調子いいな」とか「今日はこのメンバー調子悪いな」、「体調悪いのかな」とかが、自然と分かるようになりましたね。一緒にいる期間が長くなった分、パフォーマンスでその人のコンディションが分かるようになったのかなって。
ーーMCのほかに、ツアーを通じてハナエさんが実力をつけられた部分はありますか?
ハナエ:一つの課題だった体力ですね。3から5曲しかやらないリリイベでもバテるくらいの体力だったんですよ。WAggで活動していた頃は激しい曲を連続でやっていたんですけど、豆柴になってライブをやるのが1曲という期間が長くて、1時間半ライブをまるっとやる機会がなくなってしまったので、私も振り出しに戻るくらいになってしまっていて。戻ってきたな、体力という感じがしました。
ーー前回のアルバムに続き、『まめジャー!』にはハナエさんが作詞を手がけた「僕だけの回答」が収録されています。
ハナエ:人は誰しも生きにくいと感じることがあると思うんですけど、そういう世界でも何かやってみよう、チャレンジしてみようという思いを込めました。
ーーYouTubeで配信されていた「クロちゃんが『まめジャー!』歌ってみた」では、「僕だけの回答」の時に「クリエイティブモンスター」というコメントを見かけました。
ハナエ:ラジオで付けてもらった名前で、クリエイティブモンスターって。どうなんですかね(笑)。
ーー今回もナオさんと一緒に振付を担当していますが、「DADDY」にはクロちゃんのネタ「わわわわ~!」が取り入れられていますよね。
ハナエ:「DADDY」の振りは、ナオがほぼ作っているんですよ。「わわわわ~!」はクロちゃんの代名詞なので入れて欲しいって作詞したミユキがナオに頼んだんです。
ーーでは、ハナエさんが振付したものでは?
ハナエ:「LUCKY!!」の振付は、作詞したアイカを目立たせたいなと思って。だけど、ほかのメンバーも面白く存在感があるようにっていうのに気をつけたり。いろいろ考えながら作りましたね。
ーーツアーを通して好きになった『まめジャー!』の楽曲はありますか?
ハナエ:「DADDY」は渋谷公演でクロちゃんの前で歌うことができたので、その人の目の前で歌うのは気持ちが入るなと思いましたね。あと、「TO THE FUTURE」はライブで育つ曲だなって。お客さんが目の前にいて「一緒に未来へ行こうね」って、ミユキが書いた思いとライブがすごく……あ! ミユキが笑ってる(笑)。
ーー褒められて嬉しそうな顔を(笑)。
ハナエ:ライブ映えするとてもいい曲だなって、このツアーを通して思いましたね。
ーーインタビュー資料の「LIVEで共演してみたいアーティスト」という項目には「BiSH」と記載があるのですが、これはどういった思いからですか?
ハナエ:入る前も、WAggの時も、BiSHさんは憧れの存在です。共演させてもらうことはあるんですけど、レベルが違いすぎて、まだ私たちの実力だと前座ぐらいにしか見えていないと思うんですよ。私たちのレベルがBiSHさんに追いつくことで、ちゃんと“共演”という形で見えるように成長していきたいです。
ーーワンマンライブのコントにはアイナ・ジ・エンドさん、ハシヤスメ・アツコさんが登場。その後には『三田祭』でBiSHのみなさんとの対バン形式でのライブ、『CDTV ライブ!ライブ!年越しスペシャル』(TBS系)ではBiSHの前で「お願いキスミー」を披露していました。
ハナエ:『CDTV』はステージが2個用意されていて、私たちが踊るステージの目の前でBiSHさんが踊っていて。「LETTERS」を目の前で観れたんですよ。歌でこんなに思いを伝えられる、人の心を動かすってすごいなって。生で観て、もっと思いましたね。
ーー最後に、新成人おめでとうございます。20歳になっての意気込みはありますか?
ハナエ:ありがとうございます! しっかりしているタイプではないので、もう少しちゃんとしたいですね。忘れ物が多いし、ダメで全然……家のこととか自分のことをしっかりと。視野を広くしたいなって思います。
ーー豆柴の大群としてはどうですか? 前回のインタビューでは「作曲も、声優もやってみたい」と言っていましたけど。
ハナエ:そこは変わらず、作詞をもっとやりたいですね。『まめジャー!』では、どのメンバーがどの曲の作詞をしているのか知らなかったんです。前回のアルバムでは私の作詞だけが選ばれていたんですけど、今回ほかのメンバーの作詞曲を見て、もっと頑張りたいなって、とても刺激を受けました。負けずにいっぱい作詞曲を増やしていきたいです。