豆柴の大群、全メンバー個別インタビュー 初の全国ツアー&新アルバム『まめジャー!』を経た課題と成長を語る

豆柴の大群に聞く、課題と成長

ミユキエンジェル「(ツアーを通して)精神力が付いた」

ミユキエンジェル
ミユキエンジェル

ーー昭和女子大学での初のワンマンライブ『豆柴の大群のりりスタート』はもともと、マイナビBLITZ赤坂での日程が延期になって場所を移しての開催でしたが、あの春から秋までの期間はライブが開催できないのが当たり前のような空気感でした。その時のミユキさんの心境は?

ミユキエンジェル(以下、ミユキ):つらかったですね。5月に元々ワンマンライブをやる予定で『スタート』の振付の練習をしていたので、延期になって、中止になって……。延期になった時はそれに向けてのモチベーションがあったんですけど、中止になった時はできないんだと思って、気持ち的にきつかったです。自粛期間中はお仕事も大幅になくなって、だんだんとリモートという形で仕事は入ってきたんですけど、それまでは練習だけの期間だったので……大変でした。

ーーそんな状況から『りりスタート』としてワンマンが決まって、ステージに立って。

ミユキ:幸せでした。私たちは有観客でのライブをワンマンまで数回しかやったことがなくって。豆粒しかいない空間で、しかもホールワンマンだから2階席もあって、こんなに豆柴のことが好きな人がいるんだって気づかされて。私も幸せだし、この人たちもこれから幸せにしなきゃいけないんだなって思う日でした。

ーー豆粒の顔を見られて、幸せも爆発したんですね。

ミユキ:オンライントークとかはあったんですけど、それ以外では顔を見ることがなくて。Twitterでしか豆粒の存在を感じられなかったので、実際生身の人がいるのはすごいことなんだなって感じました。

ーー推しタオルを掲げてくれると嬉しいですよね。

ミユキ:嬉しかったです。服もグッズのTシャツを着て、タオルを持って。ペンライトとか、女の子は自分でうちわを作ってきてくれるんですよ。名前プレートとか。時間をかけて楽しみに待っていてくれたんだって、それが嬉しかったです。

ーーワンマンライブで初めて披露した「そばにいてよ Baby angel」の間奏で、ミユキさんが左右に動きながらピアノを弾く振付は、BiSHの(ハシヤスメ・)アツコさんに直伝されたとのことですが、これにはどういった経緯があったのか教えてもらえますか?

ミユキ:リハーサルで、マネージャーさんに「ただ、曲に合わせてやるだけじゃつまらないから変えたほうがいいよ。そういうの得意なのはアツコさんだよ」って教えてもらって、本番の日に会うからその時に聞こうと思っていたんです。「今日はよろしくお願いします」って挨拶しに行った時に、「(間奏の振り付けを)伝授していただけないですか?」とお願いしたら、アツコさんが「面白い感じでいいの?」って、何も言わないでその動き(振付)をやってくれて、「あ、さすがだな」って。

ーーコントには、アツコさんとアイナ(・ジ・エンド)さんが出演していましたけど、交流はあるんですか?

ミユキ:アイナさんとは打ち上げから、LINEをさせて頂いております!

ーーミユキさんが『実力をしっかりとつけるツアー』で全国を巡って感じたことは?

ミユキ:ワンマンでできなかったことができるようになったことと、あとはツアーで課題が増えたこと。成長もしたし、実力もしっかりつけられたし、ダメなところも見つけられた。

ーーそれは体力だったり。

ミユキ:体力はツアーでやっとついてきたかなって感じで、課題は振付とか流れのミスだったり、MCも感情のまま喋っちゃうから、ちゃんとお客さんに伝わるように言いたいなって思います。そこが課題。

ーー事前の準備はなしで、思ったことを喋ってるんですか?

ミユキ:そうですね。一応、長文で考えはするんですけど覚えられないから結局捨てて、立った時に思ったことを言っちゃうんです。ほかのメンバーは事前に準備しすぎて台本みたいになっちゃうのが課題だと思うんですけど、私は逆で、もうちょっと綺麗な言葉で喋りたいんです。

豆柴の大群「豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-」MUSiC ViDEO

ーーツアーでは「豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-」の3連発をしたらしいですね。

ミユキ:そうなんです。2公演目の福岡公演で3連発をしました。

ーー同じ曲を続けて何度も披露するのはWACKの伝統ですもんね。

ミユキ:よかったです、やれて。「人生劇場」って1回やるだけでもつらいんですよ。3回連続やるプラス、ほかの曲もあるので鬼セトリで。大変でした……。体力もそうですけど、3回連続やったからこそ、豆粒のみなさんも楽しみ方をそれで分かったんじゃないかなって感じて。1回目はそこまで手が上がっていなかったんですけど、2~3回目になると手が上がるのが多くなっていて、それが楽しいなって思いました。

ーーツアーのファイナルである渋谷公演では、最後のMCで、SNSで心が苦しくなるようなこともたくさん言われたと明かしていましたが、そんな人たちに向けてパフォーマンスで見返してやりたいという思いもあったのではないですか?

ミユキ:テレビでバンッ!と出てしまって、確かに実力はないのでそういうことを言われてもしょうがないなって思ってたんですけど。こうやってライブをたくさんさせてもらったり、ツアーで実力をしっかりつけたのを見て、当時そう言ってた人たちが「豆柴楽しいじゃん」って少しでもいい方向に豆柴の大群を見てくれたらいいなと思って頑張ってます。

ーーミユキさんがツアーで実力をつけられた部分は?

ミユキ:諦めないこと。一番最初の大阪はアドレナリンで乗り切れたんですけど、福岡の時にその3連発をやったから1部でもうヘトヘトになっちゃったんです。ふくらはぎがつっちゃったりして、それでも諦めずに全力でパフォーマンスをしようと思って。そういう面では精神力が付いたのかなって思います。

ーーワンマンライブに続いて、ツアーでもコントは披露していましたが、今後も続けていくんですか?

ミユキ:WACKはコントをするっていうのが伝統なので。これからもやっていきたいなって思います。

ーー脚本は誰が書いているんですか?

ミユキ:ワンマンライブは『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の藤井(健太郎)さんが考えてくださって、ツアーは大阪と福岡がカエデ(フェニックス)、仙台と名古屋が私が考えたやつで、東京がクロちゃんとメンバーです。

ーーそれぞれどういった内容だったんですか?

ミユキ:カエデが考えたのは「豆柴の大群カフェ」というテーマで、普通の人は犬がいると思うけど、いざ行ったらアイドルの豆柴の大群が出てくる、という内容でした。お客さん役とメンバー役で分かれて、メンバーは「豆柴の大群です!」と言うんですけど、お客さんは犬だって思って来てるから「え、人間? 犬じゃないの?」っていうのを永遠にやり取りして、最終的にみんなが豆柴の大群になるっていうシュールなコントです。私が考えたのは、クロちゃんと渡辺さんが誘拐されて、それを救うために豆柴の大群のメンバーに試練が与えられ、乗り越えたら返してあげるよっていうコントでした。一番最後は告白がテーマで、クロちゃんがカエデに告白するんですけど、ビンタされたら告白前に戻ってしまうっていうタイムリープのコントになっています。

ーーメンバーが脚本も手がけていたんですね。驚きました。

ミユキ:『実力をしっかりとつけるツアー』なので、コントも全部メンバーが考えようとスタッフの方に提案されて。「考えたことないよ!」って言いながら頑張って考えました。

ーー『まめジャー!』には「DADDY」「TO THE FUTURE」とミユキさんが作詞した曲が2曲収録されています。メンバー唯一の2曲採用です。

ミユキ:イェーイ! ありがとうございます。『スタート』の時も一応全曲作詞のコンペに挑戦したんですけど、その時はどうやって書いたらいいか分からないし、メンタル的にも弱かったのでネガティブな曲ばっかりになってしまって。「これはダメだな」って、自分でも分かるくらいだったんです。今回はメジャーデビューして気持ち的にも明るかったし、豆柴の大群の曲を歌っていて、どういう言葉を書けばいいのかっていうのが段々と分かってきた時に作詞ができたので、そういう面では自分の気持ちが伝えられるようになった歌詞です。「TO THE FUTURE」は豆柴の大群の明るい未来に向かって書けたし、「DADDY」はクロちゃんへの感謝と「MONSTER IDOL」の情景を書けたかなって思います。「TO THE FUTURE」はメジャーデビュー日に作詞したんですよ。だからポジティブ満載って感じになりました。

ーー「DADDY」に対するクロちゃんからの反応は?

ミユキ:「お願いキスミー」のMVの撮影でクロちゃんの家に行った時に「大好きになっちゃうじゃん!」って言われて、「それはキモいです」「そういうことで書いたんじゃないのでやめてください」って冷たくあしらっておきました。

ーー先ほど、ハナエ(モンスター)さんからも少し聞きましたが、振付にはクロちゃんの「わわわわ~!」が取り入れられています。

ミユキ:クロちゃんに向けた曲だから、それは入れてほしいなと思って。アイドルは歌と振付で曲が完成するので、そのどちらでも表せられればいいなと思って、クロちゃん要素を入れてほしいとナオに頼んで「わわわわ~!」を入れてもらいました。

ーークロちゃん作詞の「嫌われた勇気」はどのような楽曲ですか?

ミユキ:クロちゃんに聞いたら「大失恋」って言ってましたね。

ーー〈エンドに足してバンドエイド〉〈あっちいってあっちちだしん〉と相変わらずのクロちゃん節が炸裂しています。

ミユキ:すごいですよね。今まで豆柴の大群になかったようなクロちゃんっぽくない曲調だけど、歌詞が全部意味が分からないですよね。今回も、すごいです。でも、ライブでは盛り上がりそうな曲なので、早く披露できたらいいなと思っています。

ーーミユキさんも新成人を迎えられましたが、20歳になっての意気込みは。

ミユキ:落ち着くことですね。うるさいって言われるし、同じ場所に留まっていられないんですよ。

一同:ははははは(笑)。

ミユキ:夜行バスの移動は発狂するレベルで。そうならないように頑張っていきたいです。

ーー前回のインタビューでは「豆柴のためならなんでも全力でやりたい」と言っていましたが、何か具体的にやりたいことはありますか?

ミユキ:このご時世ですけど、ライブはいろんなところでできたらいいなって思っていて。2020年できなかったことを、2021年にやって、豆粒のみんなに会いたいなってすごく思います。

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