Floating Points、Underworld、畠山地平……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選
UKテクノ〜エレクトロニカの最高峰フローティング・ポインツ(Floating Points)の4年ぶり2作目が『クラッシュ(Crush)』(Ninja Tune/Beatink)。前作はディープハウス、ジャズ、ダウンテンポエレクトロニカ、R&B、ブラジル音楽からクラシックまで複合したリスニングアルバムでしたが、本作はダンスミュージックのDJである自分の原点に戻るかのようなフロアコンシャスな作品となっています。生楽器と電子楽器を巧みにミクスチャーしながらもスケールが大きく緻密で、しかも躍動感のあるドラマティックな世界を構築。聴けば聴くほど、その完成度の高さに舌を巻く大傑作です。これが現代テクノの最高峰。音の良さも特筆もの。できるだけ良いオーディオで聴きましょう。
カナダ拠点のプロデューサー、ジャック・グリーン(Jacques Greene)の2年ぶり新作が『ドーン・コーラス(Dawn Chorus)』(LuckyMe/Beatink)。レイヴィでファンタジックでヒプノティックなディープハウスは素晴らしい。前作よりもアンビエント〜チルアウト色が強まっていますが、フロアアンセムとしてもツボを心得ています。
デトロイトのベテラン、元UR(Underground Resistance)のスキャン7(Scan 7)の新作が『Between Worlds』(Deeptrax)。グルーヴィでファンキーで叙情的なオールドスクールデトロイトテクノの最高峰。この心地よさに抗えるテクノファンは少ないでしょう。バイナルと限定100枚のCD、及びDLのみで、ストリーミングはない模様。(bandcampでの試聴はこちら)