KOKOKO!、Ondo Fudd、Datach'i……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選
2カ月のご無沙汰でした。今月もエレクトロニックな新譜を取り上げます。
まずはコンゴ・キンシャサの5人組KOKOKO!の『Fongola』(Transgressive Records / Big Nothing)。フランス人プロデューサーのデブリュイと現地のミュージシャンによって結成されたバンドで、これが1stアルバムです。コンゴ版ローファイトライバルエレクトロパンクともいうべきラフでロウでイビツな音楽性が非常に刺激的です。路上で拾った鉄板、空缶、エンジン部品、プラスチックなどで作った手製の楽器を使い、これまた手作りの簡易スタジオで録音されたという、いわば「コンゴのEinstürzende Neubauten」。しかし「洗練」とは無縁な荒々しいサウンドからは、ストリート発の黒光りするエネルギーや凄まじいバイタリティが感じられます。MVも抜群に面白い。ぜひライブを観てみたいですね。
シカゴハウスのベテラン、グレン・アンダーグラウンドと、ブー・ウィリアムスによるユニット、The Strictly Jaz Unitの『The Tempest』(Strictly Jaz Unit Muzic)。1997年以来、なんと22年ぶりの3作目です。ベテランらしい練りに練られた完成度の高いディープハウス。といって枯れた感じもなく、非常に躍動感のあるダンストラック集となっています。素晴らしい。
UKのプロデューサー、コール・スーパーのユニット、Ondo Fuddの5曲入りミニアルバム『Eyes Glide Through The Oxide』が、ロンドンのアンダーグラウンドテクノの牙城<The Trilogy Tapes>からリリース。メロディアスで繊細な上モノと、ローの効いた四つ打ちのリズムのバランスが効果的なロウ〜ディープ〜テックハウス。非常に蠱惑的なダンスミュージックです。