Klein、Kindness、Byron The Aquarius……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選

クライン『Lifetime』

  まずはなんといってもロンドンの鬼才クライン(Klein)の3年ぶりの2作目『Lifetime』(ijn inc.)が圧倒的に美しい。現時点でのエクスペリメンタルR&Bの最高峰です。サイケデリックな音の粒子が飛び交うような目まぐるしくドープなサウンドコラージュと、根底にスピリチュアルなアフロブラックネスのグルーヴを強烈に感じさせる世界観は、クラクラするほど刺激的で他に比べるものがないほどの鮮烈な個性です。今年度のベストアルバムの1枚と言っていい大傑作の誕生。Bandcampは動画が2本ついてきて、44.1kHz/24bitのハイレゾが選べます。ハイレゾは音の厚みとエネルギーがストリーミングとはまるで違う感じ。(bandcampからの試聴はこちら

テレフォン・テル・アヴィヴ『Dreams Are Not Enough』

 活動20年目を迎えたアメリカの電子音楽ユニット、テレフォン・テル・アヴィヴ(Telefon Tel Aviv)の『Dreams Are Not Enough』(Ghostly International/PLANCHA)。メンバーの1人、チャールズ・クーパーが2009年に急逝してヨシュア・ユーステスのソロプロジェクトとなってから初のアルバムで、なんと10年ぶりとなる通算4作目です。以前のようなメランコリックで叙情的なエレクトロニカに加え、ノイジーでゴシックなインダストリアル色も加わり、ダークでエモーショナルでありながら、透明なリリシズムをも漂わせる素晴らしい出来となっています。従来のファンも納得させながら、チャールズの死と向き合ったヨシュアの葛藤と内省もくっきりと刻まれた見事な作品です。9月27日発売。(作品詳細はこちら

Telefon Tel Aviv – standing at the bottom of the ocean;
カインドネス『Something Like A War』

  英国の鬼才、カインドネス(Kindness)ことアダム・ベインブリッジの5年ぶり3作目が『Something Like A War』(Female Energy/Beatink)。5年ぶりといっても、その間ソランジュやBlood Orange、ロビンなどのプロデュースに参加したり、映像作家としてグリズリー・ベアなどのMVを手がけるなど多様な活動で、むしろ以前より注目度が高まっている中での一作です。以前よりすべての面でグレードアップしたことが実感できる見事な出来映え。多彩な曲調とゲストを見事に消化して、最高度に洗練されたモダンエレクトロニックR&Bを展開しています。(作品詳細はこちら

Kindness – Lost Without feat. Seinabo Sey (AUDIO VERSION)
Kindness – Hard To Believe (feat. Jazmine Sullivan)
Kindness – Raise Up (Single Version)

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