Floating Points、Underworld、畠山地平……小野島大が選ぶエレクトロニックな新譜9選

Suumhow『Secuund』

 ベルギーのデュオ・Suumhowの2作目『Secuund』(n5MD)。こっちはちょっとIDM〜エレクトロニカ寄りのアンビエントで、ビートは鋭くインダストリアルなノイズも聴けますが、叙情的でメロディアスな上モノとの対照が劇的で美しい。一番近いのは初期のボーズ・オブ・カナダ(Boards of Canada)やオウテカ(Autechre)、エイフェックス・ツイン(Aphex Twin)でしょうか。

Suumhow - Bora Bora (Official)
Suumhow - Secuund \\: Official Trailer

畠山地平『Forgotten Hill』

 最近注目の集まる日本のアンビエントミュージックシーンから2枚。2006年のデビュー以来さまざまなレーベルからアルバムをリリース、ミックス〜マスタリングエンジニアとしても君島大空や元ちとせ、岡田拓郎等を手がけ注目を集める畠山地平の『Forgotten Hill』(Room40)。同レーベルからの5作目ですが、今回は奈良の明日香村の古墳や王墓を訪れインスピレーションを受けて制作されたという作品。深いリバーブの中にいつまでも反響し続ける淡いギターの音色が本当に美しいアンビエント〜ドローン。さまざまにイマジネーションが広がるアルバムです。素晴らしい。

Chihei Hatakeyama - Forgotten Hill

Sleepland『Out Od Hue』

  兵庫出身の米村研吾によるソロプロジェクト、スリープランド(Sleepland)によるアルバムが『Out Od Hue』(Spekk)。冬のベルリンやアウシュビッツ強制収容所を訪ねた時の体験からインスピレーションを受けて制作したそうで、モジュラーシンセとギター中心に作られたドローン音響は、生と死の狭間で揺れ動く不穏でダークで荒れ果てた心象風景を映し出します。

■小野島大
音楽評論家。 『ミュージック・マガジン』『ロッキング・オン』『ロッキング・オン・ジャパン』『MUSICA』『ナタリー』『週刊SPA』『CDジャーナル』などに執筆。Real Soundにて新譜キュレーション記事を連載中。facebookTwitter

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