ふくりゅうの『小室哲哉とテクノロジーの30年間 - I am a Digitalian』レポート
小室哲哉のDigitalian論 ーーデジタル時代の新型フェス『THE BIG PARADE』で聞けた本音とは?
小室はトークの最後に「(フリー配信で)認知度を上げたことで、ファンがライブに足を運んでくれた際に、がっかりさせないことが大事。ビジネスモデルが変わってもアーティストは良い音楽を目指すべきだ」と発言している。ネットの進化によって海外進出への窓口は手軽に開かれつつも、日本発の音楽がYouTube、iTunes、Spotifyなど外資系インフラに呑み込まれつつあるネット時代。識者は、アーティストの作品内容より、インフラやマーケティングについて語りがちであるが、何より大事なのは作品である。もちろん作品の届け方、マネタイズの仕方は時代時代のインフラやツールによって変わっていくことだろう。しかし、音楽家が向き合うべき本質は何も変わってないということだ。
1984年デビュー、TM NETWORKが乗り越えてきたレコード~カセット~MD~配信という、音楽の“入れ物”の30年のメディア遍歴。そんな各時代でヒット曲を生み出し続けてきた小室哲哉が語る本音とは、アーティストにとって希望を与える一言だったように思う。
デジタル時代の新型フェス『THE BIG PARADE』は、初年度ということもあり、若干の改善の余地を浮き彫りにしながらも、日本の音楽シーンの発展のためには、最先端な異業種がコミュニケーションを交わせる“場”が必要だ。そして、積極的な交流によって壁を壊すことで、ビジネスモデルの再構築が生まれることを期待したい。ぜひ、来年も開催して欲しいと願う。
(文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ/Twitter))
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