『対岸の家事』中谷夫婦の誤解が解ける “詩穂”多部未華子と“虎朗”一ノ瀬ワタルには亀裂が

『対岸の家事』様々な誤解が解けた中谷夫婦

 そこで樹里がごくごく当たり前に迷わず言った「私、仕事やめてもいいよ。私にとって一番大切なのは達っちゃんと佳恋だから」「仕事はその気になれば挽回できる、でも家族はそうじゃない」という言葉に、彼はどれだけ救われたことだろうか。

 「女であり妻であり母親である前に一人の人間として愛されたいし愛したいの」という樹里の心の叫びは、セックスレス中の詩穂の心にも刺さったことだろう。

 教育熱心で毒親だった母親について、電動ミキサーで殴られたときの話を聞いた詩穂から「痛かったですよね?」と寄り添われた際には「もう忘れました」と答えていた中谷が、樹里からの「手痛かったでしょ?」に「ちょっと痛かった」と答え、当時の自分の傷や痛み、恐怖をようやく認められていた。なんでもはっきりと正面突破の樹里と、自分の気持ちにも無頓着な中谷にはやはり良い組み合わせで相性抜群だ。

 様々な誤解が解けた中谷夫婦に対して、虎朗の嫉妬心が露呈した詩穂夫婦。シングルマザー(織田梨沙)がポストに投函した中谷との不倫現場の捏造写真や投書にヒビが入り、家を出て行ってしまった虎朗。虎朗が信用してくれるものだとはなから疑わなかった詩穂は、その彼の頑なな対応に驚いてしまったようだ。

 きちんと話し合おうともせずに家を出ていく虎朗の後ろ姿は、詩穂の父親のそれを想起させたのかもしれない。詩穂が苺(永井花奈)と向かった“実家じゃない場所”とはどこだろうか。ついに詩穂のほうに駆け寄ってきた謎のシングルマザーの正体も気になるところだ。

『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』の画像

火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』

朱野帰子による小説『対岸の家事』を原作としたヒューマンドラマ。専業主婦の主人公・詩穂が、生き方も考え方も正反対な「対岸にいる人たち」とぶつかり合いながら、自分の人生を見つめ直していく模様を描く。

■放送情報
火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:多部未華子、江口のりこ、ディーン・フジオカ、一ノ瀬ワタル、島袋寛子、田辺桃子、松本怜生、川西賢志郎、永井花奈、寿昌磨、吉玉帆花、五十嵐美桜、中井友望、萩原護、西野凪沙
原作:朱野帰子『対岸の家事』(講談社文庫)
脚本:青塚美穂、大塚祐希、開真理
プロデューサー:倉貫健二郎、阿部愛沙美
演出:竹村謙太郎、坂上卓哉、林雅貴
編成:吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
©TBS
©朱野帰子/講談社
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/taigannokaji_tbs/
公式X(旧Twitter):@taigan_tbs
公式 Instagram:taigan_tbs
公式TikTok:@taigan_tbs

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