『葬送のフリーレン』OPとEDは“繋がっている”? 花びらと青い炎に隠された意味を考察

『葬送のフリーレン』OPとEDを徹底考察

 『葬送のフリーレン』は、演出や美術、小道具の置き方に至るまで、画面の細部がたびたび考察を呼んできた作品である。第2期でもその密度は健在で、本編だけでなく主題歌映像にも多くの読みが生まれている。Mrs. GREEN APPLE「lulu.」とmilet「The Story of Us」は、それぞれが作品に寄り添う楽曲でありながら、並べて観ることで“2つで1つ”のような感触を生んでいるように思う。そこに共通するのは『葬送のフリーレン』が描いてきた時間のあり方が、あらためて刻まれていることだろう。

『葬送のフリーレン』第2期ノンクレジットエンディング映像/EDテーマ:「The Story of Us」milet/フリーレンED

 大森元貴は「lulu.」について、誰かから誰かへ命や宝物、思い出、意思が受け継がれ、故郷を胸に秘めながら今日から明日へ進んでいく強さを描いた曲だと語っていた。一方でmiletは「The Story of Us」に、進む一歩にも、立ち止まるときも、振り返る瞬間にも意味があるという思いを込めたと述べている(※)。

 両者は対立するというより、同じ“時間の流れ”というテーマを別の角度から照らしているのだろう。「lulu.」が受け継がれた思いを携えて進む現在に光を当てているとすれば、「The Story of Us」はその歩みのなかにある逡巡や回想までも含めて肯定している。第2期のオープニングとエンディング映像は、同じ感情を繰り返しているのではなく、時間の異なる側面をそれぞれ引き受けているように見える。

 そのうえで映像を観返すと、特に気になってくるのがOPに現れる花びらの扱いだ。冒頭、フリーレンの手のひらに降ってくるのは、ほんのりと光る花びら。第2期OPにおける花びらは、季節の移ろいや祝福の演出という以上に、ヒンメルをはじめとする旅の記憶を運ぶ記号として置かれているように見える。冒頭のシーンで数多の花びらがほぼ同じ色をしているのは、多くの別れを経験してきたフリーレンの姿を通して、その感覚が視聴者自身の人生にも重なるよう抽象化されているからだろう。

 終盤では、すでに青を含むいくつかの花びら(=過去のパーティとの大切な記憶)が乗っているフリーレンの手のひらへ、さらに赤と紫の花びらが加わっていく。青の花びらはヒンメルを、紫はフェルンを、赤はシュタルクを思わせる。ここで描かれているのは、記憶が単独で存在しているのではなく、複数の時間がひとつの現在へ折り重なっている感覚ではないだろうか。

 つまり、勇者一行との旅だけでなく、フェルンやシュタルクと重ねてきた現在の時間もまた、フリーレンの内側では連続している。花びらが最後にフリーレンの手のひらへ収まっていく流れは、それぞれの仲間に結びつく記憶や感情が、散ったまま消えていくのではなく、いまの彼女の中でひとつに束ねられていることを示しているように見える。

 この花びらの流れを踏まえると、OP「lulu.」はヒンメル視点の歌というより、ヒンメルたちから渡されたものを携えて進むフリーレンの現在形に重心が置かれた楽曲だと考えて良いだろう。大森が語った“受け継がれていく命や宝物、思い出、意思”という主題ともよく重なる上に、歌詞には「温かく残ってる」「瞳の裏にいつも君は居る」「帰りたい場所がある」といったフレーズもある。

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