『パン恋』“椎堂”生田斗真の過去が明らかに “一葉”上白石萌歌が立てた恋に関する仮説

『パン恋』椎堂の過去が明らかに

 椎堂(生田斗真)のなかにある触れてはならなかった部分に触れてしまい、激しい怒りを向けられた一葉(上白石萌歌)は、アリア(シシド・カフカ)に助言を求める。その話を聞かされ「痴話喧嘩」だと笑い飛ばすアリアは、自分が椎堂と付き合っていた15年前の出来事を語りはじめる。椎堂に近付くためにモデルとして努力を重ね、そんなアリアの姿を見て椎堂は研究者としての道を進む決心を固める。第6話で久々に顔を合わせた2人が衝突した際、アリアがつぶやいた「約束」は、やはりアリアが「トップモデルになること」であったわけだ。

 『パンダより恋が苦手な私たち』(日本テレビ系)は3月14日の放送で最終話を迎えた。前回までの時点で残されていた要素は、椎堂が研究者になった理由という“過去”と、アリアのモデルとしての再起という“現在”。そして、一葉が仕事への向き合い方を見出し、椎堂との恋愛を成就させるという限りなく“未来”にコミットした事柄である。“過去”の部分は先述したアリアの回想によって大枠を捉えたうえで、椎堂自らの言葉によって補足される。妬みや媚び、嫌がらせなど、周囲の人間が彼に向けてきた行動によって、人間に絶望し、距離を置き、理解することを放棄し、逃げていたと。

 ネガティブなものの積み重ねは往々にして人をネガティブな方向へと導いてしまう。椎堂のように、それをひとつのきっかけとして“やりたかったこと”へ向かったとしても、副作用のように苦悩がつきまとう。それは椎堂との別れを受け入れてからのアリアも同じであろう。対照的に、アリアが椎堂を追いかけたことでモデルとしての成功の礎を築き上げたように、誰かと良い影響を与えあってこそ本当の意味で前へ進める。“過去”から15年が経った現在において、椎堂にとっての“誰か”は一葉であり、アリアにとっての“誰か”もまた一葉なのである。

 アリアのモデル復帰の場となる東京デザイナーズコレクションの当日、ネットニュースにアリアの過去を暴露する記事が掲載される。世間から向けられた同情の目に耐えきれず行方をくらましたアリアを見つけだした一葉は、そこで椎堂がいつもやっているような“野性の恋”についての講義を展開する。不利な状況になっても諦めずに求愛行動をつづけるコクホウジャクを例に取り、他の動物たちも決して諦めはしないと。アリアに向けられたそのエールは、まわりまわって一葉自身の背中を押しているといっても過言ではないだろう。

 子どもの頃にアリアから影響を受けた一葉が、アリアに影響を与えた椎堂から受けた影響を持ってアリアに新たな影響をもたらす。そしてそれが一葉にも影響を与え、椎堂のもとにも返ってくる。この循環的な相互作用は、さながらダーウィンの『進化論』のようでもある。また、ラストで一葉が立てる、“恋”が先に存在してそれによって人間が進化し求愛行動は複雑化したという仮説や、それこそアリストテレスの「人間は社会的動物である」という言葉が示す通り、他者との関係やつながりを求めることこそ、人間=ヒトという生き物が本来持ち得る“本能”であり、“野性”そのものなのである。

『パンダより恋が苦手な私たち』の画像

パンダより恋が苦手な私たち

恋が苦手とされるパンダなど動物たちは、実は限られたチャンスを活かす「恋愛上級者」だった。動物の求愛行動から、常識に囚われる現代人がシンプルに幸せになるヒントを解き明かす。

■放送情報
『パンダより恋が苦手な私たち』
日本テレビ系にて、毎週土曜21:00~放送
出演:上白石萌歌、生田斗真、シシド・カフカ、仁村紗和、柄本時生、三浦獠太、片岡凜、佐々木美玲、佐々木史帆、髙松アロハ(超特急)、平山祐介、宮澤エマ、小雪、筧美和子
原作:瀬那和章『パンダより恋が苦手な私たち』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
演出:鈴木勇馬、松田健斗、苗代祐史
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:藤森真実、白石香織(AX-ON)
音楽:MAYUKO
主題歌:生田斗真「スーパーロマンス」(Warner Music Japan)
制作協力:AX-ON
©日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/pankoi/
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