一ノ瀬ワタルのギャップは作品に欠かせないものに 必然だった『対岸の家事』愛されパパ役

誰もが愛する一ノ瀬ワタルの“ギャップ”

 『対岸の家事』(TBS系)で主人公・志穂(多部未華子)の夫、虎朗を演じる一ノ瀬ワタル。娘の苺(永井花奈)を右手で軽々と持ち上げ、左手でベビーカーを抱えるその姿は、子煩悩な父親としての愛情に溢れている。

 元格闘家という肩書きを持ち、『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)の主人公・猿桜を演じて一気に知名度を上げた一ノ瀬。インタビューでは、本作への出演が決まったときの心境を「自分の中で、TBSの火曜ドラマ枠は『女性を描く作品が多い』というイメージがありました。普段、自分は悪役を演じることが多いので、この枠を好きで見てくださっている視聴者の皆さんに受け入れてもらえるのか、不安もありましたね。しかも、多部さんの夫役ということで驚きました」と語っている。

一ノ瀬ワタル、『対岸の家事』の役作りを語る 虎朗役で意識したのは“西田敏行&桐谷健太”

火曜ドラマ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』(TBS系)に出演する一ノ瀬ワタルのインタビューコメントが公開された。 TV…

 また、脚本だけでなく原作も読み込み、原作者の朱野帰子が『HiGH&LOW』シリーズで一ノ瀬ワタルが演じた関虎太郎という役にハマっていたことを個人的にうれしかったこととして触れている。「その影響で『虎朗』という名前をつけたと聞いて思いがけない繋がりに感慨深い気持ちになりました」という一ノ瀬。(※)虎朗の役柄は、ドラマ化が検討される前、原作が書かれる段階ですでに一ノ瀬ワタルの存在が大きく影響していたということだ。一見強面だが、娘を溺愛していて、妻に対して理解があり、妻の意思を尊重する優しい夫の役にハマり、見ているだけでほんわかと温かい気持ちになる。

 チェーン展開の居酒屋で店長をしているため、虎朗は朝から夜まで、時には休日出勤するほど忙しく働いている。志穂とゆっくり会話する時間もなかなか持てないが、「家族のために“家事をすること”を仕事にしたい」という詩穂への理解があり、共働きではないが「俺の給料はさ、2人で稼いでいるようなもんじゃん」と、家族を愛する良き夫としての安心感も漂う。この作品が多くの視聴者の共感を得て、SNSでも話題になるのは、脚本・原作・ストーリーが素晴らしいだけでなく、キャスティングの妙も随所で光っているというのも大きいようだ。

 そもそも、一ノ瀬ワタルが役者の道に進むことになったのは、三池崇史監督が映画『クローズZERO II』に出演するエキストラを探していることを知り、参加したことがきっかけだったという。それ以降、不良役・悪役で引っ張りだこに。学生時代は柔道に打ち込み、キックボクサーになりたいと格闘家への道を選んだ。タイでも2年間修業を積み、その経験は確実に役柄に反映されているようだ。

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