『呪術廻戦』「渋谷事変」で活躍する冥冥にとっての倫理 弟・憂憂との関係と能力を解説

『呪術廻戦』冥冥にとって明確な倫理とは

 アニメ『呪術廻戦』の「渋谷事変」も折り返し地点に差し掛かろうとしている。初っ端から虎杖と蝗GUYの戦いが描かれ、それを皮切りに五条悟と漏瑚ら呪霊組との戦い、呪詛師たちとの戦い、脹相との戦いが繰り広げられてきたが、いよいよ冥冥の本格的なバトルが映し出されていく。冥冥は意外と、虎杖と共に行動してきたゆえに「渋谷事変」開始時から長めのスクリーンタイムで登場しているキャラクターだ。弟の憂憂も同じく。第1期に比べて明らかにスポットライトを浴びている彼らだが、いまだにその能力を含め謎のベールに包まれている。今回はそんな姉弟について紹介したい。

 アイスブルーの髪色、基本的に全身黒色でヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)のような装いを固める冥冥はミステリアスな存在だ。おさげを前に編んでいる特徴的な髪型は、術師がたびたび目元を隠すことと関わっているのかもしれない。余談になるが、七海建人や夜蛾のようにサングラスをつけるなどして目元を隠す呪術師が多いのは、呪霊と目があわないようにするためだ。彼らは視認されていると気づくと襲ってくるので、気づかせないのである。なお、六眼持ちの五条が目を隠しているのとは少し理由が違う。

 年齢も不詳ではあるが、「懐玉」で五条たちが制服を着た高専2年生だったのに対し、共に任務に就いていた歌姫と冥冥は私服だった。歌姫は五条の3つ年上のため彼女も冥冥も卒業していることは明白で、歌姫が敬語を使っていたり、彼女に任務のアドバイスをしていたりする点も含めて冥冥はもう少しお姉さんであることがわかる。

 常に大きな斧の形の武器を持ち歩く彼女の術式にカラスが絡んでいることは、第1期の姉妹校交流会の時から描かれていた。交流会の様子をカラスに追わせ、その視覚を控室のモニターに映していたのがそうだ。高専出身だが、卒業後は即フリーランスとして活動している冥冥。今回に限らず、いつもこんなふうに交流会のたびに実況中継要員として呼ばれているのだとしたら、少し面白い。彼女のカラスを使った視覚共有の能力に関しては第32話「渋谷事変」で原宿駅構内を探索するときにも役立っている。

 しかし、私たちは具体的に術式を使って彼女が戦っているのをまだ見たことがない。冥冥の戦闘シーンは何かとカットされがちで、第36話「鈍刀」でも襲ってきた呪詛師を圧勝させた後の様子が描かれていた。こんなふうに焦らされてきた我々だが、ようやく第38話「揺蕩」でその戦いぶりを拝めるわけだ。ちなみに、「懐玉」や「渋谷事変」など様々な登場場面において冷静な状況分析、その場にいる人間に対する無駄のない指示と説明をする姿から、彼女の頭が相当切れること、術師としての実力の高さが窺える。それだけでなく、術式を使わなくても大きな斧で呪霊を蹂躙していた様子が『劇場版 呪術廻戦 0』で描かれ、身体的な能力の高さも証明されていた。

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