『クジャクのダンス』松風の父の言葉は何を意味するのか? あまりにも怪しい赤沢夫婦の行動

ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系)第5話で、物語は大きな進展を迎える。新キャラも登場している中で、スポットが当たるのは松風(松山ケンイチ)だ。
心麦(広瀬すず)と松風は、春生(リリー・フランキー)の手紙に名前のあった東賀山事件の元弁護人・三木田辰雄(石丸謙二郎)に会いに行く。そこで判明するのが、三木田が刑事事件の勉強会で見た松風を、春生に教えていたということ。手紙に松風の名前があったのは、三木田の推薦によるものだった。

第5話のキーワードとなるのは「真っ当」。三木田は松風に、真っ当な目をしていた春生の姿を重ね、「なんだか、似てるなぁ」とつぶやく。そして、留置場面会室で遠藤友哉(成田凌)に神井(磯村勇斗)に対して不用意な発言はやめるよう忠告すると、友哉もまた「真っ白で、真っ当な自分を、信じろと?」と、「真っ当」という言葉が頻出していく。
面会室に一人残った松風。アクリル板に映る自身に向かって、松風は「本当にお前、よく言えるな。お前はさ、全然真っ当じゃないよ。そう見えるように振る舞ってるだけだろ?」と語りかけると、松風の回想に突入していく。

松風の母(宮崎美子)がアイロンをかける体操着のゼッケンには、「5年2組久世」の文字。回想から明らかになるのは、松風の父・久世正勝(篠井英介)は警察官で、窃盗の疑いで懲戒免職になっていることだ。離婚をして、名字は久世から松風へ。松風の母は、「2人で真っ当に生きていこうね」と言葉をかけた。しかし、それは「嘘をつかないでまっすぐに」という意味というよりかは、世間の目から逃れようとする防衛手段。

アクリル板に映る自分に松風は、「お前の中には真っ当なんて、ない。そう見えるだけの、振る舞いだ」と自分自身に語りかけ、席を立つ。松風の脳裏によぎるのは、真っ当な心麦の姿。つまり、「嘘をつかないでまっすぐに」という意味がそのまま心麦に向けられている。染田(酒井敏也)の死が告げられ、咽び泣く心麦=広瀬すずの演技には相変わらず惹きつけられるが、それは“静と動”のような、感情をそこまで表に出さない松風がコントラストになっていることに気づく。

そして、松風が映るアクリル板の奥に広がるジャングル。松風も心麦と同じく、自身の父のいたジャングルへの手がかりを探しているということだろうか。松風には行方がわからなくなっているようだが、久世は赤沢刑事(藤本隆宏)の元同僚であり、赤沢の脳裏に久世から言われた「ずっと見てるぞ」という言葉がフラッシュバックする。さらに第5話のラストで、心麦は赤沢とすれ違うのだった。






















