デイヴ・バウティスタ、シャマランは「要求の多い監督」 初タッグと自身のキャリアを語る
M・ナイト・シャマラン監督の最新作『ノック 終末の訪問者』は、“究極の選択”をテーマに、家族愛と恐怖を描いた“終末スリラー”。人里離れた山小屋で休暇を過ごしていた3人の家族のもとに謎の4人組が突如として現れ、家族の犠牲か世界の終焉の選択を迫る。そんな本作で謎の4人組の1人であるレナードを演じているのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのドラックス役でお馴染みのデイヴ・バウティスタ。初タッグとなったシャマラン監督の意外な素顔や、誇りを持っているという自身のキャリアについて話を聞いた。
「シャマランはとても要求の多い監督」
ーーM・ナイト・シャマラン監督とは今回が初タッグとなりました。今回初めて一緒に映画を撮ってどのように感じたかを教えてください。
デイヴ・バウティスタ(以下、バウティスタ):まず、僕はとにかく監督の大ファンだったので、最初に会ったときはひたすら僕がいかに彼のファンであるかという話に終始していました。それと、僕は常に学びの姿勢で撮影に臨んでいます。僕にとって、監督から学ぶことは大きな目標になっていて。というのも、いつか自分自身も監督をしたいというゴールを持っているからです。 なので、シャマラン監督の仕事のやり方について、ものすごく勉強しました。どういうプロセスで映画を作っているのか、 カメラはどういうアングルで構えているのか……そういう勉強をしました。
ーー彼の作品の印象はいかがですか?
バウティスタ:彼の作品がとにかくとても大好きです。中でも 『シックス・センス』。初めて観たときに、「こんな映画があるのか!」と大きな衝撃を受けました。監督と仕事を一緒にするということは、また全然違う経験でした。決してネガティブな言い方をしたいわけではないんですが、彼はとても要求の多い監督です。たぶん多くの人が僕と同じ意見だと思うんですけど、決してラクにはさせてくれない。いろんなことを求めてくるので、そういう意味ではチャレンジングではあります。ただ、いろんな話を深くできるので、それは監督の大好きなところです。例えば短いセリフの一言に関することでも、いかに深くどんな感情があるのかを掘り下げていくような会話ができるんです。「この登場人物の過去の経験がこういうふうに生きているから、こうなっているんだよ」という、その深掘りした会話の上で演技をするんです。なので、すごくくたびれますし、チャレンジングではありますが、とてもやりがいがあります。
ーーあなたが演じたレナードは、最初に登場するシーンから最後まで、ずっとミステリアスさが残るキャラクターでした。あなたにとっても新しい役柄だったと思うのですが、役作りでこだわったこと、演じる上で意識したことはありますか?
バウティスタ:特にこういうことをやったと言えるものはありません。実は、僕はあまり役作りというものをしません。もともと過度に自分で作り込んでしまうことをしないようにしているんです。というのも、昔“ある助言”を受けたことがあります。その役について、自分の頭の中でガチガチに考えた上で、いざ監督と話してみると、監督は全く違う人物像を求めていた、というふうになったら大変じゃないかと。また、他の役者が考えているものと擦り合わなかったら、なかなか進まなくなりますから。当然、プロとしてちゃんとセリフを覚えていくことは大事ですが、あまり決めつけることなくオープンに考えて、オープンに構えていくべきだと思っています。僕はもともとフレキシブルな役者で、その場で即興的に演技をしています。それで今回は何をしたかと言うと、とにかく毎日シャマラン監督と、感覚的にどういうことを思っているのか、感情はどんなものがあったのか、どういう考え方や直感で動いているのかなど、毎日たくさん話をした上で演技をしていました。 例えば、レナードはとにかく責任を感じています。それで彼は大変な使命を受けているっていうところであったりとか、その彼の人物を成す何枚ものレイヤーについて話をしたり、また何かを疑っているところもあるんじゃないかという彼の思いや気持ちを中心に考えました。