『舞いあがれ!』ネットで“チビ舞ロス”広がる “長め”の幼少期編を牽引した浅田芭路

『舞いあがれ!』“チビ舞ロス”広がる

 連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK総合)の第3週となる「がんばれ!お父ちゃん」が放送された。今週で朝ドラ恒例の“子役週”が終わるため、SNSからはチビ舞ロスに嘆く声も多く聞こえてくる。今回はそんな幼少期の舞と、舞を演じた浅田芭路の活躍を振り返っていきたい。

 第1週目。小学3年生になったばかりの舞は身体が弱く頻繁に熱を出すことから、学校も休みがちだった。引っ込み事案で思ったことをなかなか口に出せない舞は、思えば「言いたいのに、言えない」「走りたいけど、どうしよう」といった“小さな葛藤”を抱えた役でもあった。母のめぐみ(永作博美)もそんな舞を過剰に心配しており、その気持ちが反映された舞は余計に自分の意見や判断に自信を持てずにいた。浅田は当時の舞の弱々しさを、人の顔色をうかがうような表情やおどおどとした態度で表現。母の顔を見るときの舞には、常に自信のなさが表れていた。

 しかし第2週からは祖母・祥子(高畑淳子)と長崎・五島での暮らしがはじまり、徐々に顔つきも変わってくる。はじめはわからないこと、できないことに直面するたびに、不安げな声をあげていた舞だが、最後には自分でばらもん凧揚げに挑戦することを決断。祥子の支えもあり、自分のことを自分でできるようになった舞からは以前よりも快活な印象を受けるようになった。浅田は、島で舞が出会う人との関係性や出来事のひとつひとつを丁寧に演じることで、五島での暮らしがその後の舞の生き方に大きな変化をもたらしたことを見事に表現した。

 そして第3週ではすっかり明るくなった舞の東大阪での暮らしが描かれる。体育の授業にも出られるようになり、友達に対しても積極的に接することができるようになった。表情ははつらつとし、以前の舞からは大きく成長したことがわかる。父親を応援するために自力で飛行機を完成させるなど、自分で考え、行動するキャラクターへと変化した。浅田もそんな舞をキラキラとした眼で演じ、舞が大きく成長したことを視聴者に強く訴えかける。浅田自身9歳になったばかりでありながら、子供の成長を客観的に捉えるという脅威の演技力をもって、昨今の朝ドラの子役週よりも1週長い、3週間をみごとに牽引した。

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