『おかえりモネ』菅波×亮×朝岡が物語のキーパーソンに 3人が百音にもたらした影響
連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)が間もなく最終回を迎える。主人公・永浦百音(清原果耶)が気象予報士になるまでの成長、そして仕事を通じて人々に「未来」を届けるまでの葛藤などが描かれたのだが、それには家族や友人、同僚、そして恋人の“関わり”が欠かせない要素となっていた。
今回、菅波光太朗(坂口健太郎)、及川亮(永瀬廉)、朝岡覚(西島秀俊)という男性キャラクターに焦点を置き、百音にとってどのような影響をもたらしたかを振り返っていこうと思う。
厳しく百音を支え続けた菅波光太朗(坂口健太郎)
登場したばかりの頃は、ドライで無愛想な菅波に対し、あまり良い印象を持たなかった百音。何か質問しても「ほとんど話もしたことないのに」「嫌々来ているように見えますか?」など絡みづらい返答をして、とっつきにくい堅物感を醸し出す一方で、「人の命を救いたいと思った」など強い信念も覗かせていた。
百音と近づくきっかけとなったのは、気象予報士の資格に興味を持っていることを百音が打ち明けたことから。「空気が温められるって、何が空気を温めてるんですか?」など初歩的なことさえわかっていない百音に、根気よく丁寧に勉強を教えた菅波。百音が気象予報士となれた一番の功労者は彼だと言える。
菅波の優しさは、厳しさに現れていると感じる。試験前に気象予報士への情熱が薄れてしまった百音に対し、「やめますか? やるなら今日からまた半年後に向けてリスタートですよ」など叱咤を飛ばしたり、「どうせ試験の結果はさんざんです」とさりげなくひどいことを言って、仕事の状況を察して休ませるなど、百音の性格を見抜いた上でその時々に必要なことを助言してきた。そんな彼がいたからこそ、百音は情熱を絶やすことなく真っ直ぐ進んでいけたのだろう。
百音に強烈な言葉をぶつけた及川亮(永瀬廉)
不器用な菅波に対し、百音の幼なじみの亮は、どんなときでも周囲を気遣う優しい性格をしている。しかし、そんな彼だからこそ、百音に放った一言「綺麗事にしか聞こえないわ」は強烈だった。
気象予報士となり東京で活躍していたが、故郷の亀島が突風に襲われたことをきっかけに地元へ戻ってきた百音。それに対する亮の思いは「何で帰ってきたの?」「東京にいればよかったのに」というものだった。震災で母を亡くし、アルコール依存症になった父を支え、ずっと地元で頑張ってきた亮。地元で生きる選択肢しかなかった亮に対し、東京で夢を叶えキラキラと活躍する百音への嫉妬や羨望ゆえの言葉だったのだろうと思う。
これにより、百音が「地元で何ができるのだろうか」と模索するきっかけとなり、地元の人々との信頼関係を深めるための課題となったのだった。