『おかえりモネ』亮が初めて見せた柔らかな笑顔 涙を流す未知を大切そうに抱き寄せる

『おかえりモネ』初めて見る亮の柔らかな笑顔

 NHKの連続テレビ小説『おかえりモネ』が最終週初日を迎えた。菅波(坂口健太郎)がついに気仙沼にやってきた。たまたまその場に居合わせた亮(永瀬廉)とともに、菅波は百音(清原果耶)の働く姿を見る。

 菅波が口にした「19対5」とは、百音が亮たちと過ごしてきた年数と百音が菅波と出会ってからの年数の比を表したものだった。菅波は年数の差で揺らぐほど自分たちの関係に自信がないわけじゃないと口にしつつ、自分は百音が友人たちと過ごしてきた時間を共有していないから羨ましいとも話す。そんな菅波の思いを聞いて、亮はある問いを投げかけた。

「そんなに大事だと怖くなりませんか?」

 亮の脳裏には明るく笑う美波(坂井真紀)の姿と母の死を受け入れた新次(浅野忠信)の姿が浮かぶ。大事な人をいつかなくすかもしれない怖さに対する答えを亮はまだ導き出せていない。亮の言葉に対し、菅波は百音を優しい目で見つめながら「怖いですよ」と言った。菅波の言葉に亮は顔を上げる。全くの不可抗力で突然大事な人を失う可能性はゼロではない、と菅波は口にする。しかし、その後に続いた言葉が「怖さ」を感じ続けていた亮の背中を押した。

 「未来に対して僕らは無力です。でもだから、せめて今、目の前にいるその人を最大限大事にするほかに、恐怖に立ち向かうすべはない」

 百音と菅波が久しぶりに2人だけの穏やかな時間を過ごしていた頃、亮と未知も顔を合わせていた。大事な人につらい顔をさせたくないという亮の気持ちは変わらない。自分ではない誰かと一緒にいた方が、未知(蒔田彩珠)は楽に笑えるはずだと考える亮に、未知は「楽に笑いたくて一緒にいるわけじゃない」と伝える。これまでの亮なら、未知の思いを聞きながらも優しく微笑み「大丈夫だから」と返していたことだろう。だが、自分から大事な人を遠ざけるような解決の仕方を、亮は選ばなかった。亮は未知の顔をまっすぐ見つめると「時々俺より苦しそうなんだよね」と言う。それは俺だから感じることができる。とも。亮と未知は苦しさを抱えながら生きてきた。苦しみの理由は違えど、二人だからこそ分かり合えることもある。

 「みーちゃん、心の底から笑えるようにしてやれんの……多分俺しかいない」と伝えた亮は、嵐に巻き込まれた時「みーちゃんに会いたいなって思ってた」と言って笑った。その笑顔は、以前のような、心の奥底で「お前に何が分かる」と思いながら、それを押し殺すように見せていた微笑みとは違う。未知に会いたいと思っていた素直な気持ちが見せた柔らかな笑顔だった。

 涙を流す未知を大切そうに抱き寄せた亮。亮と未知も、百音と菅波のように、彼らだから共有できる時間の中でゆっくりと距離を縮め、これから先もそのようにして過ごしていくのだと、気づかされたシーンだった。

 物語終盤、永浦家への挨拶を前に緊張する菅波と、「僕より緊張してらっしゃる?」と問われ、なんとも言えない表情を浮かべた百音のやりとりは可愛らしく、菅波が来る前にどこかへ行ってしまった耕治(内野聖陽)について、「逃げだんだろ」とつぶやく龍己(藤竜也)の姿は面白かった。百音と百音の周りにいる人々はどのような未来へ進むのか、最終週をじっくり楽しみたい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
※土曜は1週間を振り返り
出演:清原果耶、内野聖陽、鈴木京香、蒔田彩珠、藤竜也、竹下景子、夏木マリ、坂口健太郎、浜野謙太、でんでん、西島秀俊、永瀬廉、恒松祐里、前田航基、高田彪我、浅野忠信ほか
脚本:安達奈緒子
制作統括:吉永証、須崎岳
プロデューサー:上田明子
演出:一木正恵、梶原登城、桑野智宏、津田温子ほか
写真提供=NHK



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