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『ボヘミアン・ラプソディ』の作品賞はオスカー攻勢にどう影響を及ぼす? 大波乱のGG賞から予測

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 第91回アカデミー賞へ向けた前哨戦の最大のハイライトともいえる第76回ゴールデングローブ賞の授賞式が現地時間1月6日に開催され、ゴールデングローブ賞史の中でも類を見ない大波乱となった。これまでも、競ってきた作品同士に優劣が生まれたことや、混戦の中で一歩大きく抜け出す作品が登場したことは幾度となくあったが、今年は前哨戦に参加すらできていなかった作品が頂点に輝いたのだ。しかし、これで“アカデミー賞の勢力図”が一変したと判断するのは、少し性急かもしれない。

『ボヘミアン・ラプソディ』(c)2018 Twentieth Century Fox

 ゴールデン・グローブ賞の映画部門には<ドラマ部門>と<ミュージカル・コメディ部門>の2つのセクションがある。アカデミー賞に向けた有力作品がその両方にいることは当然なのだが、アカデミー賞へ直結する可能性が高いのは、無論前者である。実に半世紀以上にわたり<ドラマ部門>で作品賞を受賞した作品は、アカデミー賞の作品賞候補へと駒を進めているのだ。それだけ重要な部門を制したのは、現在日本でも破竹の大ヒットを記録中の『ボヘミアン・ラプソディ』。言わずと知れた世界的ロックバンド、クイーンを描いた音楽伝記映画であり、ほぼ無名でありながらも驚異的な演技でフレディ・マーキュリーを演じきったラミ・マレックに高評価が集中している作品だ(そのラミは、ドラマ部門の主演男優賞を獲得。これは比較的下馬評通りといえよう)。

 しかしながら撮影中に監督が降板するトラブルという、オスカーが最も毛嫌いするタイプの作品であり、それでいて全米公開時から作品全体における批評は見事に酷評が集中。実際、史実からある程度ドラマチックに脚色する部分があったとはいえ、淡々と運ばれていく作品自体は極めて凡庸な作りで、それをすべて終盤のライブシーンとクイーンの名曲で良い映画を観たという錯覚に誘おうとする荒技を繰り出す作品であり、お世辞にも年間を総じる作品とは言い難い。無論、作品評価は低いにしろ興行的な成功もあいまってゴールデングローブ賞の作品賞に候補入りを果たしたが、これは話題作りに付き物の“お飾り”であると誰もが思っていた。

 とはいえ、すでに候補入りの段階からひとつの大きな疑問が横たわっていた。何故この作品が<ミュージカル・コメディ部門>ではなく、<ドラマ部門>だったのかということだ。音楽映画ではあるが、ミュージカルではない。けれど『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、『Ray/レイ』といった音楽映画で、かつコメディ要素のない伝記作品はずっと<ミュージカル・コメディ部門>に挙がってきた歴史がある(それは『アリー/ スター誕生』にもいえることで、こちらは同一原作の76年版が<ミュージカル・コメディ部門>で作品賞を受賞していた)。

      

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