永野芽郁主演『半分、青い。』第2章突入! 「故郷編」が描いたもの、「東京編」が描くもの

永野芽郁主演『半分、青い。』が第2章突入!

 『愛していると言ってくれ』(TBS系)、『ロングバケーション』(フジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)と、TVドラマ史に残る傑作ラブストーリーを数多く手がけてきた脚本家・北川悦吏子が朝ドラに初挑戦し、話題となっている『半分、青い。』(NHK)。セオリーに乗らない展開やユニークな会話劇に「今までの朝ドラとは違う!」と予感している視聴者も多いようで、視聴率としては平均19%台と近年の作品と比べるとやや寂しくはあるものの、評価は高い。放映開始から約1ヶ月半を経た現在は、「岐阜・故郷編」に別れを告げ、第2章とも言える「東京編」が始動したところだ。

 本作は、1971(昭和46)年に岐阜県の田舎町で生まれたヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)が、さまざまな困難を乗り越えながら、ある一大発明を成し遂げるまでの半生を見つめる物語。「岐阜・故郷編」では、朝ドラ史上初の母親のおなかの中にいるところから始まるという斬新なプロローグを経て、幼少期に突然の左耳の失聴、高校生になり進路に悩む中で漫画家を夢見、街を出て行くまでが描かれた。一貫していたのは、鈴愛の人物像を掘り下げるようなエピソードが多く描かれたこと。鈴愛がどんな性格で、どんな家族のもとで育ち、周囲の人々とどんな関係を築いてきたのか。主人公なので当然といえばそうなのだが、“いい子”に描かれがちな朝ドラヒロインには珍しく、ずるいところもあったり、おバカだったり、自分勝手だったりと、言ってみれば人間くさい部分も包み隠さず見せてくれた気がする。結果、視聴者に印象付けられたのは大らかで度胸があり、明るくハツラツとしている一方、世間ずれして掴みどころがない女の子。「了解いたした」「〇〇なのか?」と年ごろの女の子らしくない、ぶっきらぼうな話し方も独特で、どことなく『あまちゃん』(NHK)で能年玲奈(のん)が演じた天野アキを彷彿させる。

 特に深堀りされていたのは同じ日に同じ病院で生まれて以来の幼馴染・律(佐藤健)と、母の晴(松雪泰子)との関係だろうか。律は鈴愛にとって笛で呼ぶといつでも応えてくれる「マグマ大使」。イケメンで頭が良く、つとめて鈴愛の良き理解者であったが、時折、友情よりも親密な空気が流れる場面もあり、視聴者をやきもきさせた。晴は娘の破天荒さに手を焼きながらも、耳の不自由なこと、それゆえの将来を案じ続けた。物語上、敵役のような役割を担わせられもしたが、鈴愛の「夢見る力」を信じ、送り出すシーンは涙を誘った。

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