人間の“欲望”から幸福な最期を考える 久坂部羊『欲張らない死に方─賢く老いるヒント』刊行へ

久坂部羊『欲張らない死に方』刊行

 医師作家・久坂部羊による『欲張らない死に方─賢く老いるヒント』(ちくま新書)が、9月10日に発売される。

 本書は、長年高齢者医療の現場に携わってきた現役医師であり、『破裂』『無痛』『廃用身』など医療をテーマとした小説を数多く発表してきた久坂部羊による集大成的エッセイ。自身も70代を迎えた著者が、人間の“欲望”という視点から「幸福な最期の迎え方」を書き下ろした一冊となる。

 久坂部は「はじめに」で、高齢者医療の現場で苦しい老い方や好ましくない死に方を数多く見てきた経験から、その背景には「死にたくない」「苦しみたくない」といった人間の本能的な欲求=“欲望”があると指摘。「〝欲望〟というキーワードで考えれば、老いや死の受け入れ方だけでなく、生きていく上でのさまざまな苦を減らせるのではないか」と綴っている。

 本書は全八章構成。「善意にひそむ欲望」「宗教化する現代医療」「老いと欲望、死に方と欲望」「介護における欲望のズレ」「欲望から抜け出せない不幸」「欲望を飼い慣らす」など、終末医療の現実と医師としての本音を交えながら、賢い老い方・死に方を考察する。安楽死、延命治療、終活、サプリメントや美容、高齢者施設ビジネスといった話題にも切り込む内容となっている。

 久坂部羊は1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部を卒業後、大阪大学医学部附属病院で外科および麻酔科を研修し、大阪府立成人病センターや神戸掖済会病院、在外公館で医務官として勤務した。2003年に『廃用身』で作家デビューし、2014年『悪医』で第3回日本医療小説大賞を受賞。著書に『神の手』『老乱』『医療幻想』『人はどう死ぬのか』『人はどう老いるのか』『人はどう悩むのか』など多数がある。

■書誌情報
『欲張らない死に方─賢く老いるヒント』
著者:久坂部羊
価格:1,012円(税込)
発売日:9月10日
出版社:ちくま新書(筑摩書房)

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