【漫画】田舎の自動車教習所での出会いとは? 教官との淡い距離感を描く『自動車学校百合』

4ページのワンシーンから広がっていった物語がある。pixivに投稿された『自動車学校百合』は、田舎の自動車教習所を舞台に、2人の女性の淡い距離感を描いた百合作品だ。作者のなわこさん(@nawa_x6xpq)に、制作の経緯などを聞いた。(望月悠木)
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「雪虫」をストーリーに加えた狙い
――田舎の自動車教習所を舞台にした背景は何ですか?
なわこ:寄稿させてもらった合同誌が楽しくて、「自分一人でもなにかやろう!」と勢いでコミティア155に応募しました。2月開催だったので「いつか描きたい」と思っていた自動車学校のネタが旬でぴったりだったので、自動車学校を軸にしました。また、舞台はほぼほぼ地元で、実際に自動車学校にも通っていたところがベースになっています。やろうと思えば聖地巡礼もできると思います。(笑)
――基本的には澄佳とひろみの会話劇がメインの内容でしたね。
なわこ:まず「ラーメン行こうよ」のシーンが4ページだけできていたので、そこから前後を広げていきました。このシーンは実体験を元にしてまして……。ふと思い出したのを忘れたくなくて漫画にしています。
――ご自身にとって印象的な記憶をある意味再現したシーンと。
なわこ:そうですね。また、フィクションであれば、澄佳にひろみとラーメンを食べに行かせることも可能ですが、不完全燃焼の思い出のほうがずっと心に残ります。「誰かの、どうしようもない“たられば”の後悔や忘れている記憶をふと思い出させるようなものになればいいな」と考えた部分もあります。
――ちなみに、澄佳が自身の感情と雪虫を重ねる様子も情緒的でした。雪虫をストーリーの縦軸に採用した理由は?
なわこ:舞台となった地元には雪虫はいませんでした。独立してから引っ越し先で出会い、ビジュアルや生態にずっと魅力を感じていました。プロットを考えている時、「熱に弱く一度どこかにくっついてしまうと飛べなくなってしまうところが、恋愛耐性0の人間の脆さと重なるな」と気づき、採用しました。
――「百合」でありながらも、「人生の先輩と後輩」という2人の距離感も印象的でした。
なわこ:今回描いてみて、自分の百合の定義がかなり広いことに気づきました。『自動車学校百合』とタイトルに『百合』と入れていますが、表記に気をつけていきたいです。
学生時代のことを思い返しながら制作していたので、昔の私と今の私がかなり反映されているんだと思います。うまい具合に年の差を活かせていたのなら良かったです(笑)。
――2人の距離感、心情などを描くうえで意識したことは?
なわこ:ひろみの感情の揺らぎが難しかったですね。ひろみの卑屈さを前面に出しても良かったのですが、大人なので我慢しました。大人になると、子供の考えを「若いな〜、バカだな〜」と一言でまとめてしまう。子供の時の自分が、どれだけ本気で悩んで考えて生き抜いてきたのかを忘れてしまうから。
――大人になると子供だった時の心情を忘れてしまいがちですよね。
なわこ:はい。ひろみが澄佳の夢に対して本気で向き合い、澄佳が夢を捨てきれない自分に気づいてくれた。夢のきらめきに憧れた二人だったから、この終わり方になったのだと思います。
――今後の漫画制作における目標など教えてください。
なわこ:現在進行形で制作に取り組んでいます。「漫画ってむずかしいな」と試行錯誤する日々ですが、年内にドカンと発表できるように頑張りたいです。また、冬あたりにコミティアに参加できればとも思っています。描きたい話はまだまだたくさんあります。誰かの忘れていた記憶をふと思い出させるような漫画を描いていきたいです。




















