【漫画】我々は紅茶を誤解している? ほっと一息ティータイム『カルマの紅茶時間』

【漫画】我々は紅茶を誤解している?

 紅茶は上品な趣味――。そんな思い込みを、そっと解放してくれる漫画『カルマの紅茶時間』は、横浜・元町の西洋館を舞台に、正反対のふたりの高校生が紅茶を通じて距離を縮めていく物語だ。

 作者・Konparuさん(@konparu365)はオンボロ団地でマグカップ片手に紅茶を楽しんだ経験から、“優雅な時間”は、誰にでも手が届くという持論を持つ。その実感が出発点の本作について、話してもらった。(小池直也)

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『カルマの紅茶時間』(Konparu)

―—本作の着想について教えてください。

Konparu:年を重ねていくごとに紅茶に興味を持って勉強する機会が増え、「もっと気軽に紅茶を楽しんでもいいのに、敷居が高く感じるのはなぜだろう?」と疑問を持つようになりました。それは一般的に「紅茶=上品な人が飲むもの」という印象が一般的にあるからだと思うんです。

 「優雅だね」と言われることも多いのですが、私自身が紅茶にハマったときはオンボロの汚い団地でマグカップを使って飲んでいたんですよ。確かに飲んで過ごす時間自体は優雅かもしれないけれど、逆に言えば、その優雅さは誰でも手に入れられるものなんじゃないかなと。

―—なるほど。

Konparu:「色々な手順がありそうだから面倒だし、上品すぎて私には合わないから飲まない」と話してきた友人もいました。「そんなことないのに!」と思うけれど、言葉だけじゃ説得力がないので、わかりやすく物語として落とし込もうと考えたのが制作の始まりです。

―—どこかミステリアスなストーリーのアイデアはどこから?

Konparu:元町・中華街駅と石川町の間に漂う、ゆったりとしているけど、どこか不思議な雰囲気が高校生の頃から好きでした。今作の舞台も元町の山手西洋館周辺なんです。「もしここを物語を描くとしたらどうだろう?」と考えているうちに、気がついたらこのような形になっていました。

―—Konparuさん自身も紅茶がお趣味とのことですが、紅茶のどこに惹かれるのですか?

Konparu:知れば知るほど非常に奥深いところです。高校生の頃、紅茶に興味を持った際に思い切って銀座の専門店・マリアージュフレールさんに足を運びました。メニュー表には、まるで呪文のように茶園やオリジナルフレーバードティーがずらりと並び、心躍らせました。

 でも当時は、興味を持ったばかりで何にも知識がなかったんです。だから語感だけで気に入った茶葉を選んで注文したのですが、大人になって再び足を運んだところ、理解した上で選べたんです。それがまるで魔法の呪文を使いこなせたような感覚で。

 そのとき「知識がつけばつくほど選ぶのが楽しいんだ」と気がつき、「もっと茶葉のことを知りたい!」と思うようになったんです。

―—作者目線で気に入っているシーンとその理由をお願いします。

Konparu:第2話後半のやりとりが好きです。特に終盤は表情を思い切ってかなりゆるく描きましたね。1話はまだ打ち解けていないというか……。カルマは椿のことを怪しんでいるし、椿は自分のペースで終始やりとりしていたものの、側から見たら怪しすぎる男子なので、少し硬めの表情にしていました。

 カルマと椿が最初と比べると互いに緩んだ表情を見せれたそんなシーンになっているので、描いていて楽しかったです。設定画でも、ふたりとも喜怒哀楽がハッキリとしていると決めていました。

―—大変だった制作エピソードはありましたか?

Konparu:紅茶の知識について多少の自信はあったものの、紅茶好きな人に比べたら全然でした。そこで紅茶を題材にした漫画を描くと決めてから、まず紅茶検定アドバンス級の受験申し込みをしました。もともと初級と中級は合格していたのですが、説得力のある内容にしたかったんです。

 仕事や創作活動をしながら、検定の勉強をするのは大変でしたが、取ったおかげで各話のテーマ設定なども含めてスムーズに制作を進められました。

―—キャラクターデザインについてはいかがでしょう。何かイメージされたものがあったのでしょうか。主人公の「業」という名前の由来も気になります。

Konparu:デザインはカルマと椿は正反対なイメージで作りました。カルマはキリッとした眉と幼い瞳、椿は鋭い目に下がった眉。カルマはどちらかというと誰とでも気軽に話せるコミュニケーション能力があり、逆に椿は声をかけにくい不思議な雰囲気を持つタイプにしたいなと考えました。

 もし放課後に椿が声をかけなかったら、お互い関わることがなかったということを踏まえた上でイメージしていきましたね。

―—今後「カルマの紅茶時間」はどう描いていきますか?

Konparu:「気軽に紅茶を楽しんでいいんだ」と思ってもらえるように、序盤は専門的な内容になりすぎないように描いていきたいです。

 また、他人と関わることで少しずつ世界が広がることもテーマなんです。だからカルマと椿が互いを理解しながら友人になっていく様子は、特に丁寧に描きたいと思ってます。

―—この先に描きたい題材や展望について、最後に教えてください。

Konparu:描きたい題材は「墓場」です。墓場って、なんだか気味が悪い感じや縁起がよくないという印象を受けるじゃないですか。でも亡くなった方が見てくれるという意味で、明るい場所でもあるのかなと。だから少し別の角度から見てみる墓場を題材にした話をどこかのタイミングで描きたいと考えています。

 そして今、一番目標にしていることは「プロの声優さんにキャラの声を当てていただくこと」です。声優の永塚拓馬さんが好きで、出演されている朗読劇によく足を運んでいるのですが、観劇するたびに声優の持つ声の力に感動しています。

 映像はなくても、音だけで演じられているキャラのビジュアルや生きている姿がはっきりと想像できる瞬間が大好きなので、声だけで表現されるカルマや椿を見てみたいです。自分の作品や人物をどう解釈し、どんなふうに演じてくださるのかとっても気になります。


◾️Konparu
コミティア出展情報:https://x.com/konparu365/status/2088252918961156403?s=46
note:https://note.com/konparunemunemu

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