【漫画】愛犬とのお別れ、コロナ禍で最期に見せた表情は? 最高のワンちゃん『ぎんちゃん』に号泣

【漫画】コロナ禍に愛犬とお別れ

 一緒に過ごした愛犬との日々、そして静かに訪れる別れの瞬間。SNSで投稿されている漫画『ぎんちゃん』は成長していく主人公とともに、祖父母の家で暮らす愛犬・ぎんちゃんと過ごした日々が描かれる漫画である。

 「愛犬との別れ」とともに、本作のキーワードに挙げられるのは「コロナ禍」。遠く離れた場所で息をするぎんちゃんとの別れが近づくなか、コロナ禍である世の中では不要不急の外出を控える声が飛び交っていてーー。生き物が死へと向かっていくグラデーション、そしてコロナ禍の日々が丁寧に、誠実に描かれる作品だ。

 作者の夏頃れぬさん(@aki_renu)にとって本作は「弔いの物語」だという。本作を創作したきっかけや、ぎんちゃんの描写に込めた思いについて、話を聞いた。(あんどうまこと)

続きを読むには画像をクリック

『ぎんちゃん』(夏頃れぬ)


ーー本作を創作されたきっかけを教えてください。

夏頃れぬ(以下、夏頃):この漫画、半分は実話なんです。ぎんちゃんという名前の犬を実際に祖父母の家で飼っていて、見た目なども全部そのまま描きました。ただ唯一違うのが、作中では主人公がぎんちゃんにお別れを言えるのですが、自分はお別れを言えなかったことです。家族から「あ、そういえばコロナ禍の間に亡くなったよ」と言われて。

 せめて漫画の中だけでもぎんちゃんにお別れを言うことができれば、自分も救われるかなと思い、本作をぎんちゃんへの弔いのつもりで描きました。

ーー執筆中や完成後の心境はいかがでしたか。

夏頃:手元にはぎんちゃんの写真がほとんど残っていなかったんです。ぎんちゃんがいることを当たり前のことだと思いすぎていたんだなと。記憶の中のぎんちゃんを描くのは、正直あんまり楽しい作業ではありませんでした。

 ただ自分の代表作を1本つくりたいという気持ちがあり、私は犬が好きなので、犬の漫画を描きたくて。犬が登場する漫画を描くなら、描くのはぎんちゃんしかいないなと思い、本作を描いたという背景があります。

ーー印象に残っているシーンは?

夏頃:本作の序盤、ぎんちゃんと主人公が楽しく遊んでいるシーンが好きです。終盤のシーンが印象に残ったという声も寄せられたのですが、弱っているぎんちゃんを描くのは悲しかったので。

ーー本作の2ページ、ぎんちゃんの後ろ姿が印象的です。

夏頃:ぎんちゃんの写真は後ろ姿のものが1枚だけあったんです。その写真を元に、記憶の中の可愛いぎんちゃんを必死に思い出しながら、作中のぎんちゃんを描きました。

 祖父母の家の縁側で、ぎんちゃんが外をじっと見つめている。その背中を私は後ろから見ていることが多くて。「ぎんちゃんは背中を見せてくる犬だな」という思いがあったので、後ろ姿は絶対に描きたいと思っていました。

ーー本作は愛犬との日々とともに「コロナ禍」の日々が描かれる作品だと感じました。

夏頃:ぎんちゃんに会えないのはコロナ禍のせいだけれど、コロナ禍をどう扱うか、とても悩みました。でもコロナ禍が過去の話になりつつある今、本作ではコロナ禍の様子を誠実に描きたいとも思っていたんです。主人公がちゃんとマスクをするなど、コロナ対策をしっかりしている描写を入れることで、当時の空気を軽んじないように気をつけています。

ーー物語の終盤、主人公が同級生と再会するシーンを描いた背景は?

夏頃:当初は「ぎんちゃんはもういなくなるのに/水は美味しいのが悲しかった」というシーンで終わる予定でした。でも最後にはぎんちゃんが活躍するシーンが欲しかったんです。ぎんちゃんが最高のワンちゃんであることをみんなに知ってほしいという気持ちがあり。そのためフィクションではありますが、ぎんちゃんが主人公の背中を押して、1歩前に進ませてくれる描写を入れました。

ーー今後の目標を教えてください。

夏頃:今は商業媒体で漫画作品を連載することが目標です。できれば犬の漫画をたくさん描きたい、とにかく「犬って素敵だよ」ということを多くの人へ伝えたいので、これからも犬の漫画をいっぱい描いていきたいと思っています。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる