【漫画】子供の名前に「生肉」「発狂」「配電盤」? 地方因習村ホラー『怪異部 ~M県Y市の怪現象について~』誕生

【漫画】子供の名前に「生肉」「発狂」?

 奇妙な名前をもつ子供ばかりの町に引っ越してきた1人の少女。下校中、同じクラスの山園枯園(やまぞの かれん)から“絶対に振り向いてはいけない”と忠告され……。

 大きな謎が隠された町を舞台に、新参者の少女が怪異に立ち向かう漫画がXにアップされた。本作は漫画家であるさりい・B(@danny_2011rs)氏が、「カドコミ」にて連載する漫画『怪異部 ~M県Y市の怪現象について~』の第一話だ。

 今回は作品誕生の経緯や作中に登場する怪異について、さりい・B氏に話を聞いた。(青木圭介)

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『怪異部 ~M県Y市の怪現象について~』(さりい・B)

ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

さりい・B:元々本作は、私が同人誌で発表していた作品でした。そんななかでKADOKAWAの編集さんに声をかけていただいて、現在は「カドコミ」で連載をしています。

ーーホラーに、“他人の命を差し出せば村を出られる”という人間同士のデスゲーム要素を掛け合わせた設定が魅力的でした。

さりい・B:実は同人誌で発表してた頃の本作には、因習村的な設定はなかったんです。怪異部に所属する2人の少女が、ただ怪異に立ち向かっていく作品でした。でも連載版を考えるなかでもう少しパンチが欲しいなと思って、そこでほかにも人間を出そうとクラスメイト、因習村の設定が思い浮かんだんです。

 やっぱり漫画って、複数の人間が出てこないとドラマ的に面白くなりづらいんですよね。怪異と対するより、怪異を間に挟んで人間と対する方が、面白くなると感じました。登場する人間は全員がただ悪者なわけではなく、それぞれに信念や哲学がある。新しいキャラクターが登場したときは敵か味方かわからないようにするなど、人間同士の関係も重視しながら描いています。

ーー作中に登場する不気味な怪異はどのように考えていますか?

さりい・B:普段から怖いなとか不気味だなと感じていることをメモしながら、その都度その都度捻り出しています。私自身、あまりホラー作品には触れてこなかった方なので、自分の引き出しの少なさに苦労してますね。

本作は怪異を人間ドラマとも組み合わせなければならず、色々な要素があるので結構ストーリーを考えるのが大変な作品ですが、早めのスピード感で楽しんでいただきたいので毎回頑張って描いています。

ーーさりい・B氏自身が本作のなかで気に入っているポイントは?

さりい・B:第一話だと、枯園さんが豹変するシーンが気に入っています。読みながら枯園さんを怪しんでいる方も多かったかなと思うのですが、それでもワクワクできるシーンにできたと思っています。前半はこのコマに向けて描いていたので、描いていても楽しかったです。

ーーさりい・B氏が漫画を描き始めたきっかけを教えてください。

さりい・B:初めて漫画を描いたときを覚えていないほど、小さい頃から描いていますね。ただ覚えているのは、絵を描くよりも先に、物語を考えるのを好きになったんです。考えた物語を表現する方法として漫画を描き始めたので、最初は画力がまったくついてこなくて大変でした。

ーー本作のようなホラー漫画を描き始めた理由は?

さりい・B:先ほどお話ししたようにホラー映画とかはあまり観ないんですけど、ネットの怪談とか都市伝説とかは好きなので、興味はありました。ホラーで私が一番好きなのが、怖い何かと遭遇した人間が、遭遇しながらもなんとか抗おうとするシーンなんです。本作もそこを描きたいと思って考え始めた作品でした。“町の呪いを解いて子供たちを解放する”という軸も、そこからきています。

ーー最後に、本作の今後の展望を教えてください。

さりい・B:読んでいただいている方の、予想を裏切り続ける作品にしたいです。ただ、あまりハチャメチャなことをしているとついてきてもらえなくなってしまうので、面白いと思ってもらえる範囲で驚きのある漫画にできたらなと思います!

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