【エッセイ漫画】終電で寝落ち、起きたら痴漢加害者に……? 実体験をもとに描かれたエッセイに戦々恐々

飲み会からの帰り、うたた寝をしていたせいで終点まで乗り過ごしてしまった男性。落胆しながら駅を出ようとすると、女性から“あらぬ疑い”をかけられ……。
痴漢冤罪を経験した実体験を綴るエッセイ漫画が、「【冤罪】終電で寝ただけで人生詰んだかと思った」の文言とともにXにアップされた。本作は漫画家として活動する、まるさん(@malcchi)の作品だ。
今回は当時の心境や印象に残っているエピソードについて、まるさんに話を聞いた。(青木圭介)
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【エッセイ漫画】『【冤罪】終電で寝ただけで人生詰んだかと思った』を読む
ーー本作を創作した経緯を教えてください。
まるさん:痴漢冤罪を経験したのが10年くらい前で、いつか漫画にしようとは思っていたんです。私は去年までサラリーマンをしていたんですけど、独立した後にちょうど手が空くタイミングがあって、「じゃあ描こうかな」と思い制作しました。
ーー大変な経験だったと思いますが、巻き込まれたときは率直に何を考えていましたか?
まるさん:やっぱり、「これで本当に捕まったらどうしよう」という不安はありました。ただポジティブというか、前向きな考えも持っていたのを覚えています。本当にまったく接触もありませんでしたし、おそらく乗っていた車両も違ったと思うので、「こんなので本当に捕まってたまるか!」と思っていたんです。絶対に疑いを晴らしてやろうという気持ちでした。
ーー痴漢冤罪を経験した当事者として伝えたいことはありますか?
まるさん:この事件を経て、電車で寝るという行為は危険だなと感じました。あとは、酒に酔っ払って電車に乗るという行為もですね。やっぱり意識がハッキリしていない状況だと、疑いをかけられたときの証言で断言できないことが多くなってしまうんです。私は乗っていた電車が“準急”なのか“急行”なのかが曖昧で、それをハッキリ証言できていたら取り調べももっと早く終わったかなと思います。眠いときや酔っているときに電車に乗る際は、気をつけてみると自衛になるかもしれません。
ーー経験を漫画化するなかで特に入れたかったエピソードは?
まるさん:痴漢の疑いをかけられた瞬間は本当に何がなんだかわからず、頭に「?」が浮かびました。なので、女性に声をかけられたときの、私のびっくり顔は入れたかったんです。また、作中に登場するキラキラした警察官さんも入れたかったですね。
ーー非常にキャラクターが濃い警察官に遭遇されたんですね。
まるさん:この警察官さんは“熱血!”という感じで、正義感が強い方のようでした。私のことを疑っているというよりは、最初から冤罪なのかなと感じてくださっている様子で、「しっかり疑いを晴らしましょう」という雰囲気で取り調べも進みました。妻と電話をしているときは思わず心のなかでツッコミを入れてしまいましたが、いい警察官さんでしたよ。
ーーまるさんが漫画家を志したきっかけは?
まるさん:漫画家には、小さい頃からなりたいと思っていました。漫画には人を笑わせる力があると思い、特にギャグ漫画を読んだり描いたりしていた記憶があります。ただ中学、高校と進学するうちに少しずつ描かなくなっていって、趣味で少し描く程度のままサラリーマンになりました。サラリーマンになると仕事が忙しく、漫画を描けない時間が続いたのですが去年独立し、やはり漫画家を名乗りたい気持ちがあったので再び本腰を入れて漫画を描き始めました。会議やセミナーの内容をイラストや図形を駆使して記録、整理する"グラフィックレコーディング"と、参加者の議論を絵で可視化して促進する"グラフィックファシリテーション"を軸として会社からは独立したのですが、今はグラレコ・グラファシと漫画家の2つの軸で活動しています。
ーー最後に、漫画家としての今後の展望を教えてください。
まるさん:前提として、読んだ方に楽しんでもらえる漫画を描きたいです。あとは単に笑ってもらうだけでなく、絵を使って仕事が楽しくなる人を増やしたいと思っています。私自身、サラリーマン時代に議事録に絵を加えることで、つまらない仕事が楽しくなった経験があります。特にグラファシには絵で参加者の本音を引き出す効果があるので、仕事がつまらない人を元気にできないかと考えています。絵が描けない方でも、グラレコやグラファシの手法を活用して仕事の楽しさを引き出すような活動や、そうした考えを広める漫画を描いていきたいです!
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