【漫画】金棒アレルギーの鬼と琵琶を弾けない天女、あの世でやっていける? ギャップがたまらない『あもうときじま』がバズ

――多くのいいねが集まっていますが、ご自身としてはいかがですか?
桐島豊(以下、桐島):本作をまとめて投稿する際に「鬼でありながら金棒アレルギーである」というギャップの強い設定を前面に押し出そうと思いました。鬼といえば金棒を連想する方も多いかと思いますが、その常識を裏切った設定に興味を持ってくださった方が多かったのかも……とも思います。
さらに作品を読んだ方が「この漫画、面白いから読んで!」と積極的に拡散してくださりました。温かいコメントも沢山いただけて、大変嬉しかったです。
――本作の着想について教えてください。地獄にもともと興味があったのでしょうか。
桐島:小さい頃から家族で神社仏閣を巡ることが多く、自然とあの世や仏教、地獄といった世界観に興味を持つようになりました。せっかく描くなら、自分が好きな世界を舞台にしたいという思いと、「死後の世界が暗く寂しいだけの場所ではなく、温かさもある賑やかな世界であってほしい」という個人的な願いがあったこともきっかけです。
――天女と鬼を主人公にするアイデアはどこから?
桐島:もともと「天使と悪魔」のように、性質が正反対のキャラクター同士が組むバディ物を描きたかったんです。そこから先ほど挙げた世界観に合うようにキャラクターを考えた結果、「天女と鬼」という組み合わせに行き着きました。
さらに、ただ正反対のバディにするだけではなく、互いの欠点を補い合える存在にしたくて、天女には天女らしからぬ暴力的な性格に、逆に鬼は優しく打たれ弱いといった性格を持たせ、ギャップを加えようと思ったんです。
――会話のリズムや吹き出しの入れ方が巧みでした。
桐島:世界観の説明でどうしてもセリフ量が多くなるので、吹き出しを分けて読みやすくすることを意識しました。また、天羽と鬼嶋のやり取りを印象づけたいと思い、2人の掛け合いをできるだけ多く盛り込みました。
――連載は苦労が付きものだと思いますが、大変だったエピソードなどもあればお願いします。
桐島:あの世の送迎員という、現実には存在しない職業を描くうえで「地獄」や「極楽」、「三途の川」といった世界を、これまであの世の世界観に馴染みがなかった人や初めて今作を読んだ人にも、すっと読んでもらえるように描くことを心がけました。
また第1話(1〜6本目収録)の50ページは読切作品でも描いたことがないページ数だったので、描いても描いても終わりが見えない……といった気持ちになりましたね(笑)。
――カラーページも素敵でした。作画のこだわりなどはありますか。
桐島:嬉しいお言葉、ありがとうございます。カラーはキャラクターの陰影のコントラストをはっきりつけ、全体的にカラフルで華やかな絵になるように、極楽絵や地獄絵の色味も参考にしました。
モノクロページでは線やベタ塗りは力強く、ハッキリ描くことでキャラクターの存在感を出すよう心がけています。
――プライベートで今注目していることや凝っていることは?
桐島:最近は心霊動画やオカルト系の映像をよく見ています。ネタ探しの面もありますが、そういう話題がもともと大好きで。あと最近、電気風呂の良さにも目覚めました。
――今後『あもうときじま』はどう描いていきますか?
桐島:これからも天羽と鬼嶋にはたくさん活躍してもらいますが、それだけでなく他のキャラクターにもどんどん登場してもらって、より賑やかで楽しい物語にしていきたいです。あべこべコンビがこれからどんな騒動に巻き込まれるのか、どんなキャラクターと絡んでいくのか、楽しみにしていただけたら。
■『あもうときじま』は「サンデーうぇぶり」(小学館)で連載中!:https://www.sunday-webry.com/episode/2550912965611660517






















