『銀魂』新作映画の期待は「鬼滅パロディ」? 過去には図々しすぎる“コラボ”も

『銀魂』新作映画の期待は鬼滅パロディ?

 2026年に『銀魂』の新作映画『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』が8月16日、都内で開催されたイベント「銀魂まるちばーす祭り」で発表された。

 『銀魂』は、2003年12月から「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートした空知英秋氏による漫画で、架空の江戸を舞台に「天人」と呼ばれる異星人らによって支配された世界で、何でも屋の坂田銀時とそれを取り巻く人々が織りなすSF時代劇コメディー。19年6月に完結し、コミックスは累計7300万部を突破する人気作品で、06年4月にはテレビ東京系でアニメの放送がスタートし、劇場アニメも3作公開されている。

 今作で舞台となるのは原作でも人気が高い「吉原炎上篇」で、地下の遊郭都市で銀時たち万事屋が“夜王”鳳仙に立ち向かうストーリーだ。特報映像には銀時、新八、神楽の3人だけでなく、月詠や神威、さらに真選組や桂小太郎といったおなじみのキャラまで登場していて、戦いの熱さや映画ならではの迫力を感じさせた。  とはいえ、銀時らがただカッコいいバトルを見せるだけで終わらないことは、ファンなら誰もがわかっているはず。『銀魂』名物といえば、やはりパロディ。これまで『ドラゴンボール』『ワンピース』『BLEACH』『NARUTO』『ジョジョの奇妙な冒険』『黒子のバスケ』など、同じジャンプ作品をイジリ倒してきた。さらに『風の谷のナウシカ』や『プリキュア』といった他社作品、そして現実の政治家までターゲットにし、まさに“何でもあり”の姿勢を貫いてきたのが銀魂らしさだ。やりすぎて読者や視聴者をヒヤヒヤさせることすら楽しみの一部になっていたのだから、『銀魂』はある意味で「炎上芸人」的存在でもあった。

 となれば、ファンが新作映画で期待してしまうのが「鬼滅パロディ」だろう。現在公開中の『劇場版「鬼滅の刃」 無限城編 第一章』は公開1ヶ月で興収257億円を突破し、『アナと雪の女王』を抜いて歴代4位にランクイン。今後も第二章、第三章が公開予定で、2026年に銀魂が公開される頃にはさらに盛り上がっている可能性が高い。そんな中で『銀魂』が『鬼滅』をスルーするということはあり得ない。

 実際、『銀魂』は過去にも「鬼滅イジリ」をしていた“実績”がある。2020年に公開され、歴代興行収入1位を記録した『無限列車編』だが、12週連続首位だった同作をストップさせたのが、2021年公開の『銀魂 THE FINAL』だった。なんと、その時の入場特典が「炭治郎&柱イラストカード」というすがすがしいまでの“鬼滅便乗商法”。しかも5週目に再配布までやってのける図々しさだった。原作者の空知も『無限列車編』について、「僕もあの列車乗ってたんですけどね、先頭車両で全裸になって誰より浮かれ騒いでたら、非常停止ボタン押されただけなんですが、ものはいいようです」とコメント。入場特典に対しても「あの史上最低の便乗商法も、鬼を倒すために鬼の角から鬼殺しの刃を作ったという、カッコよさげな言い方をしてくれると幸いです」と、銀魂らしい表現で“謝罪”していた。

 今回の発表イベントでも、銀時を演じる声優の杉田智和が『鬼滅』のキャラ「悲鳴嶼行冥」で出演していることから、悲鳴嶋お馴染みの“拝みポーズ”で登場し、会場は爆笑の渦に。『銀魂』と『鬼滅』の勝手なコラボはすでに始まっていたようだ。

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