動物たちの糞尿、死骸にスポットをあてた生物ノンフィクション『食って、出して、死ぬ』

ジョー・ローマン(米山裕子訳)『食って、出して、死ぬ』(河出書房新社)が8月22日に発売される。
二酸化炭素を吸い込み、酸素を吐き出す森林を「地球の肺」とするなら、窒素やリンといった地球上の生命に不可欠な栄養素を排泄物、死骸によって循環させる野生動物たちは、まさに「地球の心臓」であり「地球の動脈」であるという。
本書では普段は華やかさと無縁の、むしろ目を背けられがちな彼らの糞尿、死体という存在にスポットがあてられる。地球規模の壮大なエネルギーを担うその役割と重要さについて、また、私たち人間が環境に与え続ける深刻な影響についてなどが綴られる。
■著者紹介
【著者】ジョー・ローマン Joe Roman
ヴァーモント大学ガンド環境研究所の保全生物学者、海洋生態学者。クジラの生態学、絶滅危惧種の保護、外来種が専門。2003年にハーヴァード大学で有機体進化生物学の博士号を、フロリダ大学で野生生物生態学と保全学の修士号を取得。自身が愛する野生動物と同じように自由に放浪する生物学者として、ハーヴァード大学、デューク大学海洋研究所、アイスランド大学、ブラジルのサンタ・カタリーナ連邦大学などで特別研究員を務め、2022〜2023年にはハーヴァード大学ラドクリフ研究所に特別研究員として勤務した。著書に『リスト:アメリカ絶滅危惧種保護法からの報告』(2012年レイチェル・カーソン環境図書賞受賞)、『クジラ』などがある。『ニューヨークタイムズ』紙、『ワシントンポスト』紙、『サイエンス』誌、『ニューサイエンティスト』誌などに寄稿。アメリカ連邦議会、サウス・バイ・サウスウエスト、世界各地の大学などで講演を行う。ウェブサイトeattheinvaders.orgの編集者でもある。
【訳者】 米山裕子 よねやま・ひろこ
英日翻訳者。1961年生まれ。訳書に、ブロットン『東西南北「方位」の世界史』、キンナ『アナキズムの歴史―─支配に抗する思想と運動』、デレズウィッツ『優秀なる羊たち─―米国エリート教育の失敗に学ぶ』、アルペロビッツ『原爆投下 決断の内幕―─悲劇のヒロシマナガサキ』(共訳)ほか多数。
■書誌情報
『食って、出して、死ぬ』
著者:ジョー・ローマン
訳者:米山裕子
価格:2,970円(税込)
発売日:2025年8月22日
出版社:河出書房新社






















