『ガンダム』マニアの生態を完全再現? 『こち亀』 麗子がロボアニメの知識を叩き込まれる名エピソードとは

TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の大ヒットをきっかけとして、令和に『ガンダム』ブームが巻き起こっている現在。“こち亀”こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に、今こそ振り返りたいエピソードが存在する。
それは単行本166巻に収録されている「がんばれ麗子の巻」。秋本・カトリーヌ・麗子が、“ガンダムっぽいアニメ”を履修する回だ。
物語は両津勘吉がある日、麗子に呼び出されるところから始まる。両津が到着するなり早々、麗子は「超機動戦隊ガムダン」について教えてほしいと依頼。仕事の関係で35歳前後のジュニア社長たちと付き合う必要があり、共通の話題として「ガムダン」の知識を覚えなければならなくなったというのだ。
「ガムダン」シリーズは20年にわたって展開されてきたコンテンツで、アニメは950話、映画20本、小説15巻、ゲーム22本が存在するとのこと。両津は麗子の記憶力を活かして、マニア同士の会話で重要なポイントをたたき込もうとするのだった。
驚くべきは、「ガムダン」という架空のアニメについて設定が徹底的に作り込まれていること。見開きで30体を超えるロボットのデザインとそのマニアックな設定が披露されている上、いずれも『ガンダム』ファンならニヤリとしてしまうような機体となっていた。
“ファースト”の機体だという「GD-073 ガムダン」に始まり、ザクのような「ザッカス」、ズゴックのような「ズ・ゴッカス」など、さまざまな機体が登場。それぞれの設定も凝っており、複雑な変形機構をもつアッシマーならぬ「アシッド」、敵から送られたハイパーニューロシステムを組み込んだνガンダムならぬ「ニューロ・ガムダン」、海外デザイナーのミド・シードがデザインしたという「ターンBガムダン」などの情報が記されている。
これは両津が麗子のために作成した“マニアの会話に出てくる機体”のリストで、より詳細な情報をまとめた「解説書」も渡していた。しかし両津は、オタクとしてのステージが高い人々は専門知識を語り合うことはないため、解説書は覚えなくていいと告げる。ちなみに『こち亀』のネットミームとして有名な「アオいいよね」「いい…」というプロ同士の語り合いを描いたコマは、ここで登場するものだ。


















