『ドラゴンボール』 戦闘でボロボロになる孫悟空の道着、自ら破った回数を全て数えてみた

『ドラゴンボール』「亀」マークはどう変化した?

 鳥山明の漫画『ドラゴンボール』のシンボルといえば、孫悟空やクリリン、ヤムチャなどが着用している亀仙流の道着だろう。

 

 この道着なのだが、実によく破れるのだ。それだけ悟空が毎回強い敵と戦っている証しといえるかもしれない。上半身が裸になりながら悟空が戦う姿はアニメファンにもお馴染みだし、ボロボロ道着でフィギュア化されているものがあるほどだ。

 原作で悟空の道着が初めてボロボロになったのは、初期を代表する敵、ピラフ一味と2度目の戦いを行ったときであった。火炎放射器(?)で火をつけられ、下半身の部分が焼かれてしまうのである。このように戦闘でダメージを受けてボロボロになることが基本なのだが、中には悟空が自ら道着を破り捨てることもあるのだ。

 最初にその描写が見られるのが、神様のもとで修行した悟空が3回目に出場した天下一武道会である。ピッコロ(マジュニア)との戦いで道着が大幅に破れてしまい、戦闘の邪魔になったのだろうか。ボロボロになったことを惜しみながら、上半身のみ破り捨て、帯を締めなおしている。

 原作でもっとも豪快に悟空が道着を破る描写が見られるのが、宿命のライバル、ベジータとの戦いだ。その道着は悟空が界王様のもとで修行をしたのちに贈られたものである。背中のマークが「界王」をかたどった、ちょっとオシャレな仕様だ。界王様によれば、素晴らしく丈夫な布で作っているそうで、少しの攻撃なら跳ね返してしまう作りなのだそうである。

 ところが、ベジータは強敵であり、界王拳を2倍にしても対抗できないほど想定外のパワーを持っていた。どんな立派な道着でも耐えきれなかった。かくしてベジータの攻撃を受け、道着は上半身半分が破れてしまった。そして、悟空は戦闘の邪魔になると考えたのか、はたまた気合を入れるためか、「バリッ」と物凄い音を立てて自ら道着を破り捨ててしまった。界王様のプレゼントはあっけなくボロボロになってしまったのである。

 悟空の道着は山吹色の上着と、濃紺色のアンダーシャツの2枚重ねになっているが、上着とアンダーシャツの両方を豪快に破ったのは原作ではこの1回のみだ。

 その後、魔人ブウとの最終決戦では上着を破り捨てる描写が久々に描かれた。集計すると、原作で悟空が自ら道着を破った回数は3回といえる。

 なお、天下一武道会の天津飯戦ではアンダーシャツを脱いだり、フリーザ戦でも自ら上着を脱ぐ描写もあるが、これは破ったとはいえないので除外する。……いや、天津飯戦では丁寧に脱いでいるのに対し、フリーザ戦ではアンダーシャツの上に上着の切れ端が残っているから、脱いでいるように見えるが、実は力を入れて破ったといえるのかもしれない。このへんの微妙な判断は難しいところだ。

 何はともあれ、原作では道着の破れ方、破り方もバリエーションに富んでいる。鳥山明のこだわりを感じずにはいられない。また、アニメ映画でも悟空の道着は様々な形でボロボロになっていくので、必見である。とよたろうが作画を担当している『ドラゴンボール超』でも悟空の道着はたびたび破れているから、もはやボロボロ道着は『ドラゴンボール』シリーズの象徴と言っていいのではないだろうか。

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