【漫画】天丼の天ぷらだけ食べるってどういうコト? 近所の男性の意外な一面にキュン「茶谷教授の秘密」

【漫画】天丼の天ぷらだけ食べるのはなぜ?
『ある日どこかで箸休め 3分で読める35話のアラカルト』(村田天/ことのは文庫)

ーー『ある日どこかで箸休め』ひいては「茶谷教授の秘密」を読んだ感想を教えてください。

橋本ライドン(以下、橋本):淡々としたテンポの良い語り口が心地よく、すっと頭に入って来て光景を想像しながら読むのが楽しい本でした! 私は食べることが大好きなので、登場する料理や食べ物を想像しては口の中がじわっとしてしまうし、登場人物たちの甘酸っぱい会話には「これ私が聞いてもいいのかな」とドキドキしてしまいました。

 「茶谷教授の秘密」では「肘岡さん」の脳内でエスカレートしていく「茶谷教授」に対する妄想にくすっとしました。

ーー漫画では天丼が美味しそうに描かれていました。「食べ物を美味しそうに描く」のに重要なのはどんなところだと思いますか。

橋本:食べ物をしっかり描くことは普段あまりないので、そう言っていただけると嬉しいです! 今回とくに意識したのはやはり色でしょうか。揚げたての衣の軽やかな黄色と染み込んだタレの食欲をそそる茶色を思い出しつつ描きました。

ーー今回「茶谷教授の秘密」を漫画にするにあたり気をつけた点・工夫された点などはありますか。

橋本:限られたページ内でできる限り原作の見どころを絵に落とし込めるよう注意しました。物語全体をご紹介したかったので、どうすればテンポがよくなるか、どこを大きなコマで見せれば魅力が伝わるか、原作を何度も読み返して考えました。

ーー今作に限らず、漫画を描く(読者に読んでもらう)上で気をつけていることはありますか。

橋本:些細なことでも少しずつでも、常にアップデートをできるよう心がけています。「こうしたらよくなるかな?」と思ったことはできることから試してみます。今回は1Pごとに目を引くコマを入れること、最後のコマにヒキがくることを意識しました。

ーー『幼人魚とお人好し』や「ツイシリ」で連載中の『すばるのサイアイ』のように(基本)コマの大きさが変わらない4(2)コマ漫画と、「茶谷教授の秘密」のようにコマを割る漫画のそれぞれ違い・良いと感じる点を教えてください。

橋本:4(2)コマ漫画は決められた枠の中でどう話を展開するか、コマ割りの漫画は話をどんなカメラワークでどう読者の方に見せたいかと、考え方も作り方もまったく別物だなと思っています。

 私はもともと4コマ漫画が好きで、そこから派生して2コマ漫画をよく描いているのですが、枠が固定な分読むペースが一定になりやすく、時間の経過や侘び寂び的なものを表現しやすいかも…? とも思います。

ーー漫画家のキャリアで印象的だった出来事を教えてください。

橋本:初めてお仕事として漫画を描かせていただいたのがゲーム『CRYSTAR -クライスタ-』の公式4コマなのですが、それまではシュールなキャラクターの不条理漫画ばかり描いていたので「自分って女の子の漫画を描いていいんだ」とびっくりしました。そこから「今ならできるかも」と思って初めてオリジナルの百合漫画を仕上げて同人誌を作り、それがきっかけでオモコロライターになり、漫画家として活動できるようになったのでかなり印象的な出来事でした。

ーー画材についてもお聞きします。漫画を描くにあたり最近見つけた便利なツールなどはありますか。

橋本:漫画はクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)を使用して描いています。最近見つけた便利なツールというよりは、機能や素材が豊富なので、都度都度調べながら使っています。デジタルで漫画を描き始めた頃は紙にボールペンで清書したものを取り込んでPhotoshopでゴミを取ったり調整して…と複数工程を踏んでいたので、クリスタそのものが便利すぎていまだに感動します。

ーー漫画家としての目標や展望はありますか。以前ご出演いただいたインタビュー(https://realsound.jp/book/2025/01/post-1908910.html)でもお聞きしていますが、近々の具体的なものがあれば教えてください。

橋本:まだ1年以上続けてひとつの作品を描いたことがないので、『すばるのサイアイ』がそうなればいいな…と思っています。そのためにはより多くの方に見てもらえるよう頑張ります! あとは今描きたい漫画がいくつかあるので、せっかくなら自主連載もできたらいいな…と考えております。

◼︎橋本ライドン

漫画家・オモコロライター
Xに趣味で2コマ漫画を投稿しています。

ツイシリ(@twi_sirius)にて『すばるのサイアイ』を連載中:https://x.com/twi_sirius/status/1901604504015159551
X:@hashimotorideon

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