『カイジ』の人気スピンオフ『1日外出録ハンチョウ』理想的な”大人”の休日? 【2025.5.13 週間漫画ランキング】

5月13日付け週間漫画ランキング
1.アオのハコ(20)/三浦糀/集英社
2.僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age/堀越耕平/集英社
3.カグラバチ(7)/外薗健/集英社
4.極楽街(5)/佐乃夕斗/集英社
5.青の祓魔師(32)/加藤和恵/集英社
6.アオアシ(39)/小林有吾/小学館
7.赤髪の白雪姫(27)/あきづき空太/白泉社
8.名探偵コナン(107)/青山剛昌/小学館
9.1日外出録ハンチョウ(20)/上原求・新井和也ほか/講談社
10.逃げ上手の若君(20)/松井優征/集英社
5月13日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、限られた休日を最大限楽しむ極意が詰まった、上原求・新井和也らによる『1日外出録ハンチョウ』(講談社)をピックアップ。福本伸行『賭博破戒録カイジ』の地下労働施設で登場した大槻を主人公にしたスピンオフ作品だ。
【写真】『1日外出録ハンチョウ』 レシピブック チャーハンやつみれ鍋などを忠実に再現
突然だが、俗世から隔絶された環境に閉じ込められ、24時間の休日と外出の許可が大金を払わなければ得られないとしたら、その休みで何がしたいか想像できるだろうか。美味しいものを食べたい、お酒を飲みたい、ショッピングしたい、様々な欲求と24時間という限られたタイムリミットへの焦りがせめぎ合い、「やりたい」よりも「やらなければ」とまるで義務のように感じてしまうことだろう。本作はそんな限られた休日を満喫する大槻の”充実した1日”を描いた作品である。
まず第1話では、大槻が24時間しかない外出時間でなんの変哲もない立ち食い蕎麦屋にて食を楽しむシーンがある。一見すると、ただただ食を楽しむグルメ漫画のようにも思えるが、彼の狙いは時間に追われるサラリーマンを肴に優越感に浸りながら優雅にビールと食事を楽しむこと。大槻は食にこだわるグルメであるのは間違い無いのだが、必ずと言っていいほど環境や時間にもこだわりを見せている。
例えば、カレー欲が爆発すれば山に登り河原にてインドカレーと日本カレー、そして実家のカレーの3種を作ることに挑戦したり、秋になればサンマを食べるため囲炉裏で焼き上げる料亭へ足を運ぶ。娑婆にいられるのは24時間しかないにも関わらず、たった一食のためにそれ以外の時間のほとんどを昼寝に費やすことだってあるほどだ。
とはいえ、これらは休日を楽しむための一部に過ぎない。周りの目を気にせず海に飛び込んだり丸一日温泉施設を満喫したり、子供心も持ち合わせつつ大人だからこそ楽しい24時間を過ごしている。ページをめくるごとに、何度も羨ましいと思ってしまうだろう。
最新刊の大槻達はスパゲッティと呼ぶかパスタと呼ぶか、コーヒーは豆からかインスタントか、など「あるある」や「確かにこんな人いそう……」と思わせる共感ネタがふんだんに描かれている。ギャグ要素も多く、あっという間に読み進めてしまう本作を読んで、”大人”の休日を過ごしてみるのもいいだろう。
堀越耕平の『僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age』(集英社)は2位にランクイン。昨年大団円を迎えた本編最終話では、大人になった雄英高校ヒーロー課・1-A組の面々が描かれ、教師姿となった緑谷出久(いずく)が大きな話題を呼んだ。このファンブックの巻末には、5Pの胸がジーンとする描き下ろし読切が掲載されている。改めて1巻から読み返したくなるほどのインパクトを与える5Pは見逃すわけにはいかない。
























