完結直前『アオアシ』は今が最高潮の盛り上がり バルサ戦逆転のキーマンは誰?【2025.5.7 週間漫画ランキング】

『アオアシ』バルサ戦逆転のキーマンは誰?

5月7日付け週間漫画ランキング

1.アオアシ(39)/小林有吾/小学館
2.僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age/堀越耕平/集英社
3.カグラバチ(7)/外薗健/集英社
4.アオのハコ(20)/三浦糀/集英社
5.極楽街(5)/佐乃夕斗/集英社
6.名探偵コナン(107)/青山剛昌/小学館
7.ドカ食いダイスキ!もちづきさん(2)/まるよのかもめ/白泉社
8.ハニーレモンソーダ(28)/村田真優/集英社
9.青の祓魔師(32)/加藤和恵/集英社
10.傷モノの花嫁(7)/友麻碧・藤丸豆ノ介/講談社

 5月7日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、令和を代表する本格サッカー漫画の金字塔となった、小林有吾の『アオアシ』39巻(小学館)をピックアップ。

 本作は日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」の男子高校生年代「Jユース」が舞台だ。選手全員がプロになることを目標を超えた”使命”と言わんばかりに、生活の全てを捧げてサッカーに打ち込む様子が描かれている。そんな環境に飛び込んだのが、主人公・青井葦人(アシト)である。

 アシトは中学最後の大会を、FWとして弱小校を率いて快進撃を見せるも、県大会ベスト4がかかった試合で相手の挑発に乗り思わず手を上げてしまい、決まりかけていた高校へのサッカー推薦も「精神的に未熟では」と白紙になってしまう。しかし偶然その試合を観戦していたJユースチーム「東京シティ・エスペリオンユース」の監督・福田達也から声がかかり、トライアウトに挑戦し見事チーム入りを果たして物語は始まっていく。

 作品序盤に登場する、フランスの哲学者パスカルの言葉「人間は考える葦である」を作品のテーマとし、体も心も成長途中であるキャラクター達に強く考えさせるシーンが度々登場する。

 代表的なところで言えば、6巻で展開されたアシトのFWからDFへのコンバートだろう。これまでFWしかしてこず、「点を取ること」がすべてだったアシトにとって、コンバートの意図は全く理解できず、その答えのヒントも与えられないまま、困惑しつらい状況が続くことに。自信家でお調子者だったアシトが思い詰め、常にイラつき、暗い表情も次第に増えていく。そのまま挫折しかねないほどのプレッシャーの中、自ら考え行動し乗り越えていく過程を細かく描いている。

 最新39巻はバルサ戦も佳境に。試合時間残り約15分、1-3と絶望的な状況でアシトと阿久津がピッチ上で何かを打ち合わせ始める。バルサに押され”エスペリオンユース最高傑作”の栗林でさえも対応に窮する中で、攻守のタクトは誰が握るのか? 各々が”考えた”先に逆転の一手として導き出されたのは……。

 サッカーだけでなく、窮地に立たされた時の生き方のバイブルとしても参考になる作品は滅多にないだろう。全40巻(410話)で完結となることがアナウンスされた『アオアシ』は、今が最高潮の盛り上がりを見せている。


 続いては、堀越耕平による『僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age』(集英社)が2位にランクインした。連載期間10年の中で登場してきた100名以上のキャラクター達の個性や必殺技、さらには歴代担当者達が語る制作の裏側が収録されている。ページをめくるたびに、本編の余韻に浸れるまさに”神アイテム”である。”ファイナル”という言葉に寂しさを感じるものの、『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』が2025年4月からアニメ化、さらに同年10月からは本編のアニメファイナルシーズンが放送される。未だ熱冷めやらぬ本作を全力で楽しむなら、このファンブックは見逃せない。併せて、スピンオフ『僕のヒーローアカデミア チームアップミッション』が5月2日に発売された8巻をもって完結した。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「ランキング」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる