宝島社オリジナルブランド「BRILMY」なぜヒットした? 担当編集者・出口花夏が語る「ブランドムック」の強み

心の底からいいものだと信じ切れる商品はバズる
――BRILMYというブランド名も、覚えやすくていいですよね。どんなふうに考えたんですか。
出口:ヒットメイカーと呼ばれる編集長が「濁点の入っている名前は人の頭に残りやすい」「長すぎると覚えにくいからコンパクトに」と言っていたことを参考にしました。それで、フランス語の「briller=輝く」と英語の「MY=私」をくみあわせて、BRILMYに。語感や言いやすさなど、いろんな要素をかけあわせた造語ですね。
――巾着やスマホバッグなど、さまざまに商品展開されています。次に何をつくるのか、どんなふうに決めているんですか。


出口:週に一度企画会議があるので、常に新作は考えています。やっぱり生活していて不便だったり、「こういうのがあったらいいのに」となにげなく感じたところから生まれるものは、みなさんにも求めていただけるという感覚があります。たとえば「ZUBORA KINCHAKU POUCH」は一般的なポーチだと形状がしっかりしていて鞄の中におさまりくいので、巾着のような薄手で、ある程度形が変わってくれるものの方が荷物を縮小できます。ただ巾着はその分、収納に特化したアイテムがほとんど世にないなと感じて、自分自身が欲しい!と思ったことから生まれました。スマホバッグは、お手洗いに行った際などに「なんでリップクリームを持ってこなかったんだろう」と思うことが多くて。バッグを持ち歩くほどではないけれど、最低限のものはすぐ手にとれるようにしておきたい、という体感から企画したものですね。
――リップクリームが行方不明、みたいなことも減りそうですね。
出口:前提としてBRILMYはビューティブランドなので、日常でちゃんとコスメを持ち歩きたい、という方の希望にこたえるようにしています。そのうえで、どこに入れたかわからないとか、底に沈んでしまって取り出せない、などのストレスをできるだけなくしていきたいです。
――出版社でブランドムックとして販売するからこその強みはありますか?
出口:いちばんは、どれだけこだわり抜いてつくったか、仕切りやポケットの一つ一つにどんな意図があるのかを、みなさんに冊子で読んでいただけることでしょうか。購入してくださった全員に、ここまで細かく商品の特徴を説明した資料をおつけすることは、ブランドムックならではだな、と感じます。

――私が初めてBRILMYを知ったのはSNSの口コミでした。SNSで話題になったことで、手にとる人の数もかなり増えたのでは。
出口:おっしゃる通り、SNSなくしてBRILMYがシリーズ化することはなかったのでは、と感じています。経験上、売れた商品は制作段階から手ごたえを感じますし、心の底からいいものだと信じ切れる商品は、バズるんです。どれだけのこだわりをもって、細部まで手を抜かずにつくることが大事かを、日々実感しています。かゆいところに手の届く商品を、これからも模索していきたいです。
――かゆいところに手が届く、需要をキャッチするために心がけていることはありますか。
出口:BRILMYの公式アカウントで、アンケート機能を使用して皆さんにお聞きしたりしています。たとえば、コスメポーチは何色を買うことが多いですか、どういう機能がないとストレスに感じますかなど、実際に必要としている方の声を集めるようにしています。それだけでなく、新商品が発売されると、どこがよかったかも、細かく教えてくださる。こだわりを理解していただけるのは嬉しいですし、何より、自分たちがちゃんと必要とされるものをつくっていたのだと、自信にもつながっています。これからも、ファンのみなさまとの距離が近いブランドでありたいなと思っています。今後はみなさまの声から、企画が生まれることも、きっとあると思います。
――今後、つくってみたい商品はありますか?
出口:いつかはオリジナルコスメも制作したいと思っています。シンプルだけど、大人が手に取りやすいかわいらしさがあることも、私たちは常に念頭に置いていて、手元に置いておくだけでテンションがあがるようなアイテムを、これからも開発していきたいです。

■関連情報
「BRILMY」公式サイト
























