草彅剛が明かす、芸能界で長く活躍し続けるための秘訣「嘘でもこじつけでもいいから、絶対にポジティブに考える」

草彅剛、芸能界で活躍し続けるための秘訣

『Okiraku 3』は人生のヒント本であり、深すぎる哲学書

草彅剛

――『Okiraku』の中にはポジティブな言葉もたくさんありますが、身体の健康だけでなく心の健康を保つ秘訣は?

草彅:もう僕はポジティブしかなくて。だって1つのものを見たとき、10人いたら10人の見方があるわけじゃないですか。だったら、自分にとって心地よい解釈をすればいいことで。他の人の見方に固執しているのはもったいないと思うわけ。だって、どうせ時間は進んでいくんだから。でも、それが人間でもあるんだけどね。だから、1つのものを見たとき、絶対にポジティブに考えるように、嘘でもこじつけでもいいから自分に言い聞かせるの。それこそ練習だと思って。そうするとね、僕みたいになっていくから(笑)。ちょっとしたことが「くだらねぇ」みたいになってくる。練習ですよ、練習。きっとネガティブになっちゃう人って、真剣に考えすぎなんですよ。それからポジティブに考えることを「バカらしいな」って思ってる節がどこかにあると思うんです。

 でも、「ありえない」とか「バカバカしい」とか思うよりも、明るくポジティブに考えたほうが絶対楽しいから! 僕なんかね、朝起きたときに自分の好きな妄想から始めるんですよ。古着屋のオーナーになった自分を想像して「今日はバイヤーさんが買い付けに来る日」って設定で、朝の4時半から自分のジーンズに値札をつけて、玄関にそれを畳んで置いておくわけ。もちろん妄想だから、そんなバイヤーさんはいないし、来ることもないんだけど。でも、そういうのって楽しいじゃないですか!

――朝4時半から!?

草彅:そう。まともじゃないって自分でもわかってますよ! けど、そういうことを本気でやるんです。1番悲しいのは、その積み重ねたデニムを自分で片付けるときなんですけどね(笑)。でも、その値札もちゃんと取っておいて、「何月何日につけた値段はこれか」みたいな感じで、また別の妄想が始まって楽しくなるみたいな。そんな感じで毎日を楽しんでいるんです。だから、なんでも良いんですよ。他人が見たらまともじゃないって思われるかもしれないけど、自分を楽しませるのが大事なので。

――落ち込むことはないんですか?

草彅:僕ね、バンダナが好きなんですよ。お手洗いに行ったとき、備え付けの紙で拭くよりも、拭きやすいし、「俺ってなんてイケてるんだ」って思えるの。そこでも自分の自己肯定感が上がるんですよ。たまたま同じタイミングで手を洗っている人が紙で拭いてるのを見ると、「俺はバンダナで拭いてるもんね」って勝った気持ちになるわけ。その人がさ、こうやって紙を丸めてポイッて捨てたものがゴミ箱からはみ出てたら、俺はちゃんと拾って中にいれますからね。そこでも自己肯定感が上がるの。「俺って偉い、俺って素晴らしい!」って(笑)。だから、逆にバンダナを忘れたときがめっちゃ悔しくて。そのときはちょっと落ち込みそうになる。でも、そこで終わらない。忘れ物をしたってことをメモする。そして、ちょっとでも忘れ物に一矢報いたぜって思う。

――負けていないぞ、と(笑)?

草彅:そうそう。「忘れてしまった、なんて俺はダメなんだ……」じゃなくて、メモったことによる俺の攻撃。そうして自分の偉さに注目するの。こういう考えだよ、素晴らしくない!?

――素晴らしいです。その考え方はどうやって出来上がったのでしょうか?

草彅:やっぱり大杉漣さんとか、高倉健さんとか、つかこうへいさんとか、いろんな俳優さんや監督さんの後ろ姿を見て、自分の中で構築してきたんだと思います。今パッと思い浮かんだのが高橋克典さん。昔、京都の撮影所でお会いしたときに着物に着替える前に腕立て伏せしてたわけ。朝の6時ぐらいに! そしたら「剛くんね、役者ってのは筋肉だよ」って。「マジかよ、かっけぇ!!」って感激しちゃって。

 だから、僕も真似してる。仕事前に筋トレ(笑)。やっぱり体が動かないとダメな仕事だし、実際に運動をして筋肉をつけるとホルモンバランスも良くなってポジティブにもなれると思う。だから、みなさんもやったほうがいいと思いますよ! そういう先輩方のいいところを自分なりに取り入れて、カスタマイズしてね。あ、カスタマイズっていい言葉ですね。バイク用語みたいで! そう、カスタマイズしながら、オリジナルに変えてきました。大体うまくなるために大事なのは人の真似をすることなんですよ。

――この『Okiraku 3』にも、真似できるポイントがありそうですね。

草彅:そうそう。だから、この本はですね、人生のヒントが隠されています。深いですよ。私がね、ありがたくもこうやってみなさんのお陰で、芸能界をうまく渡ってこられた秘訣が暴かれていますから! こうして27年間も続けていると、いろんなことがありました。そんなパーソナルに迫った細かいことが、雑誌なのでたくさん話しているのがやっぱりいいですね。自分で振り返ってみても、このときこんなことを考えていたなって思い出せる。変わった部分もあるんだけど「結局なんも変わってないんだな」みたいなことも気づかされるし、哲学書でもありますね。うん、深すぎるね。もうマリアナ海溝ですよ。深すぎ!

――ヴィンテージデニム展示会のオフィシャルブック『STAY BRAVE BOOK』に『Okiraku 3』と書籍の発売が続いていますが、本というメディアで今後やってみたいことはありますか?

草彅:いや、そんなに欲張ってもね。しばらくは、今回出た本をじっくりとみなさんに楽しんでもらって。あ、でも慎吾ちゃんと吾郎さんと3人で何か作って本を出すのもいいかもしれないね。いつになるかわからないけど、それこそどんな本ができるか妄想しながら待つのもまた楽しいと思うよ!

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