『魔入りました入間くん』西修×『アクタージュ』宇佐崎しろのタッグで話題『魔男のイチ』に注目【2025.3.11 週間漫画ランキング】

3月11日付け週間マンガランキング

1.ONE PIECE(111)/尾田栄一郎/集英社
2.SPY×FAMILY(15)/遠藤達哉/集英社
3.怪獣8号(15)/松本直也/集英社
4.カグラバチ(6)/外薗健/集英社
5.アオのハコ(19)/三浦糀/集英社
6.SAKAMOTO DAYS(21)/鈴木祐斗/集英社
7.ルリドラゴン(3)/眞藤雅興/集英社
8.よつばと!(16)/あずまきよひこ/KADOKAWA
9.魔男のイチ(2)/宇佐崎しろ・西修/集英社
10.正反対な君と僕(8)/阿賀沢紅茶/集英社

 3月11日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、『魔入りました!入間くん』を手がける西修と、『アクタージュ』の作画を担当した宇佐崎しろがタッグを組んだ『魔男のイチ』をピックアップ。

 本作は、幼少期から狩人として生きてきた少年・イチが「男にしか習得できない」魔法を習得したことで、男の魔女・魔男(まだん)として”魔法を狩る”、魔法×狩りのファンタジー作品だ。

 各々が設定した試練をクリアすることで挑戦者に魔法を習得させる「魔法」は生き物のように自我をもち、多種多様な個性を持っている。最新2巻に登場する氷鮫(ひさめ)は猟奇的に人を殺めるものの、厚い化粧をまとい「待ち過ぎて髭が伸びちゃうじゃないの!」と叫ぶなど、デザインやセリフからボケが詰まった魅力的なキャラクターのコメディー要素が笑いを誘う。

 魔女と魔法は数千年前から激しい戦いを繰り広げてきたため、試練に挑む時には、神聖な決闘のように互いに名乗りをあげるといった暗黙の了解がある。しかし、狩人のイチはそんな左方もお構いなし。魔法を一個の生き物として扱い、習性を観察し、罠を張り、弱点を見極めてとても効率的に狩る。

 キャラクターの性格を優先したストーリー展開は、西修の真骨頂と言えるだろう。連載中の代表作・『魔入りました入間くん』でも良い意味で空気を読まない展開が人気の理由の一つだ。

 そこに、宇佐崎しろの作画が入ったことで、西修が作り出す世界観が引き締まるような相乗効果が生まれている。『アクタージュ』でもあったように、集中状態となったキャラクターからは、読者も思わず息を飲んでしまうほどの緊張を感じていることだろう。獲物を狙う殺気に満ちた姿は、他の西修作品とは一味違って刺激的だ。ヒット作家同士、夢のようなタッグが魅せる新作に今後も目が離せない。


 続いては、言わずと知れた世界一の漫画作品、尾田栄一郎による『ONE PIECE』111巻(集英社)が本ランキングの1位を獲得。巨人たちの島・エルバフに到達したストーリーにも期待が高まるが、新たな伏線に気付かされたり、意外なキャラクターたちの繋がりが明らかとなる、SBS(読者からの質問に作者自ら回答するコーナー、(S)質問・(B)募集・(S)するのだの略)にも注目が集まっている。今巻では、ワノ国編で登場したうるティとページワンの父の正体と末路が明らかに。本編で描かれることがないサブストーリーを知れるSBSが読めるという点も、単行本を手に入れる価値の一つだ。未だストーリーの全貌が見えない本作は、今後どのように我々を裏切ってくれるのか、期待に胸が踊る。

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