お笑い芸人“二刀流”増えた背景は? 新たな賞レース『ダブルインパクト』の影響を識者が解説

“コントの発想で作られた漫才”の可能性

『ダブルインパクト』で活躍が期待されるコンビとして、ラリー氏はロングコートダディ、ジャルジャル、男性ブランコ、ニッポンの社長、かもめんたる、ダンビラムーチョ、コットン、さや香などの名前を挙げた。

「やはりM-1とキングオブコントの両方で活躍しているコンビは強いと思いますね。特にロングコートダディは、若手の中で断トツの実績があります。この大会を機に、これまでやっていなかった漫才、コントに挑戦するコンビもいるかもしれませんが、どちらかといえば漫才専門の人がコントをやるほうが難易度は高いと思います。コント師が漫才をやる際は、“漫才師の演技”をすればいいわけで、コントの延長線上にあるとも言えますが、漫才には目の前のお客さんたちと一緒に作り上げる側面があります。だからこそ、お客さんと演者の世界が切り離されているコントを作るのには、漫才とは全く違う技術が求められるのです」

 最後に『ダブルインパクト』ではどのようなネタが評価されるのか。今大会への期待を聞いた。

「M-1では細かい喋りのテクニックが重視されるため、コント寄りの芸人は評価されにくい傾向にあります。しかし、過去に男性ブランコがM-1で披露した音符を運ぶ漫才や、ロングコートダディのマラソンのネタのように、コントの発想で作られた漫才には、一風変わった面白さがあります。そうした新しい漫才のスタイルが評価される大会になれば、お笑い界にとっても大きな意味があると思います」

 漫才とコントを行き来する芸人たちが、どのような化学反応を起こすのか。『ダブルインパクト』の行方に注目したい。

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