ちいかわ作者・ナガノが手がける「アザラシ」なぜ人気? SNSでは世話を焼くおじさんへの注目度も上昇

『ちいかわ』の作者・ナガノが手がける「アザラシ」

 約5年前にイラストレーター・ナガノがTwitter(現・X)で投稿を始め、今やさまざまな企業とコラボしたグッズを求め、海外からもファンが来日。軒並み完売となるほど、世界的人気を誇るキャラクターといえば、ちいかわだ。

 ちいかわは「なんか小さくてかわいいやつ」の略称で、ナガノの「こういう風になってくらしたい」という願望が投影された愛らしい生き物たち。その見た目に反し、シビアな世界でたくましく生きるちいかわたちの姿が人々の愛着心をくすぐっている。

 そんなちいかわに次いで人気となりつつあるのが、アザラシだ。アザラシは2023年11月にナガノがXに不定期で投稿している漫画「ナガノのくま」の中で、彗星の如く登場したキャラクター。ちいかわよりも先に生まれたナガノのくまは、作者の分身のような存在と見られ、漫画では自身のことが描かれている。ある種のエッセイ漫画と言ってもいいかもしれない。

  アザラシが初登場したときも、クリスマスグッズのアドベントカレンダーに纏わる日常のエピソードが綴られていた。アザラシはと言えば、本筋とは全く関係のない行動を取っており、クスクスと笑いながら既出のキャラクター・イッカクにヒレで立つための手助けをしてもらっている。くまは近くにいるが、アザラシとイッカクのことが見えているのかも定かではない。その脈略のなさ、謎だらけだけど、ちいかわにも似ている愛らしいアザラシの姿が話題を呼び、同投稿は8万いいねを超えた。

 その約2カ月後、再びアザラシが登場。のっけから塩ラーメンを美味しそうに食しているが、またもや新たなキャラクターであるヒトデから「しょうゆでもサァ、良いって言われたじゃんッ!」「アザラシだからってさァ!」とキレられている。アザラシは誰からラーメンをもらったのか? ヒトデはなぜアザラシが醤油味ではなく塩味を選んだことに怒っているのか? 等々、いろいろと疑問は湧いてくるが、説明は一切なし。だが、この意味不明な独特の世界観こそ、ナガノの真骨頂と言えるのではないだろうか。

 4回目の登場以降、ナガノのくまは姿を消し、アザラシを中心に海の仲間たちが繰り広げるこのシュールな物語は1つのシリーズとして独立したように見える。投稿頻度もどんどん早まっており、1月はすでに7回の投稿が。グッズも販売されており、現在は一部水族館で「ナガノの水族館」と題したコラボイベントが開催されている。ここから、さらに人気が高まっていきそうだ。

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