【漫画】クラスで話題の深夜ドラマ、親が不在で視聴のチャンス……SNS漫画『深夜放送』に共感

tayama:本作は2022年に制作した作品です。昔のことを思い出しながら自分のエピソードを混ぜて、ちゃんと形に残して忘れないようにしつつ、他の人も共感できるようなものとして描きたいと思っていました。
ーー深夜のTV番組を見るというエピソードも思い出の1つ?
tayama:そうですね。12話のエピソードがある作品の11話目だけを偶然見たのですが、内容はわからないのに不思議と面白くて。しばらくは「結局、あれは何だったんだろう」と思っていました。
ーー本作を描くなかで印象に残っているシーンは?
tayama:深夜のTV番組を見るシーンです。本作の肝となるシーンなので、読者の方も印象に残るように考えながら描きました。
ーー魚眼レンズで覗いているかのように描かれた描写は、まるでTVの中に吸い込まれるように感じました。
tayama:本作はデジタルツールを用いて描いた作品ではありますが、このコマはアナログで描いた漫画のような質感を出したくて、直線をつかわずに描きました。
ーーTV番組を見るシーンを描くなかで意識したことは?
tayama:暗い部屋でTVの画面だけが光っていることの対比をイメージしていました。また、果物を描くときに「その果物が美味しそう」と思いながら描くと、美味しそうな果物を描けると聞いたことがあります。なので当時の自分が抱いていた感情を思い出しつつ、その心情が伝わればと思いながらこのシーンを描きました。
ーーTV番組を見たあと、たとえばクラスメイトと番組について話すといった結末も描く選択肢もあったかと思います。そのなかで本作のクライマックスを描いた背景は?
tayama:本作ではドラマとしてTV番組を描きましたが、当時の自分は深夜アニメを見ていました。ポータブルデバイスでワンセグ放送を深夜に見ており、とくにその番組について誰とも話すことはなくて。
全国的に放送されているTV番組ですが、自分だけが見つけてしまったものという感覚があり、そのときの経験や感情を本作のクライマックスで描きました。
ーー本作は同人誌に収録された作品ですが、tayamaさんは商業媒体でも漫画作品を発表しているかと思います。漫画を描きはじめたきっかけは?
tayama:元々は漫画ではなくノベルゲームを作りたかったんです。その練習として漫画を描きはじめました。ノベルゲームを制作するには絵を上手くなる必要があり、とにかく数をこなそうと思って4コマ漫画から描きはじめました。そのまま今に至るまで漫画を描いています。
ノベルゲームのような漫画を描くとなると、1つの作品が数百ページものボリュームになってしまいます。そんななか三島芳治先生の作品に出会い、ページ数は少なく、簡潔なのに読み応えのある漫画をつくれるのだと知って。自分がノベルゲームでやろうとしていたことを漫画でも表現できるのではないかと思い、漫画に注力するようになりました。
ーー今後の活動について教えてください。
tayama:まずは「楽園」Web増刊で連載している作品をちゃんと完結させたいです。それ以外については、このまま何も考えずに漫画を描きつづけていていいのかという迷いもあります。ただ描きたいお話はまだ手元に控えているので、SNSや即売会などで発表していきたいです。
























