話題のアニメ『メダリスト』原作からどう変化?  声優・春瀬なつみが“心の叫び”で表現した学校生活

『メダリスト』アニメ化で原作からの変化

■『メダリスト』大きな話題に

 2025年冬アニメ『メダリスト』が1月4日より放送スタート。第1話からX上で日本のトレンド1位に輝くなど、大きな話題を呼んでいる。  

  同作はつるまいかだによる大ヒットマンガを原作としており、フィギュアスケートを題材として、スポ根的な“熱い”ストーリーを描いているのが大きな特徴だ。今回はその魅力を紹介しつつ、アニメ版と原作の違いについても触れていきたい。  

 『メダリスト』の物語は、スケーターとして挫折続きの人生を送ってきた明浦路司が、フィギュアスケートの世界に憧れる少女・結束いのりと出会うところから始まる。コーチと教え子という関係になった2人は、それぞれの才能をぶつけ合いながら“メダリスト”への道を駆け上がっていく。

  幼い少女がフィギュアスケートに挑戦する物語……という風にまとめると、一見華やかでハートフルな作品のようにも見えるだろう。しかし作品の本質はそんな印象とは真逆だと言える。というのも同作は少年マンガにも負けていないくらい、熱血でスポ根な展開が目白押しだからだ。

  そもそもいのりは、生半可な気持ちでスケートの世界に飛び込むわけではない。彼女の出発点にして原動力となるのは、“自分にはスケートの他に何もない”という絶望の感情だ。

  学校では成績が悪いだけでなく、他人と同じことが上手くできないため、周囲からキツくあたられる日々。母親は表面的にはいのりのことを思いやっているものの、実際には彼女の本心と正面から向き合わず、最初から諦めているような態度でスケートをやることを止めようとする。

  そしていのり自身、自分が不器用にしか生きられないことを誰よりも痛感している……。そこで一筋の光明としてすがりつくのが、フィギュアスケートなのだ。いのりにとってスケートはたんなるスポーツではなく、いわば“人生をかけた戦い”に近い。だからこそ彼女は楽しむだけでなく、勝利することによって自分の存在価値を証明しようとする。

  そこでライバルとして立ちはだかるのは、自分より先にスケートを始め、技術を積み重ねてきた選手たち。最終的な目標は、同じ年ですでに大会で華々しい活躍を見せている天才少女・狼嵜光であり、いのりは大きく出遅れてしまったという焦燥感を抱えつつひたむきな努力を重ねていく。

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