KADOKAWA、丸善ジュンク堂書店出版社売上初の1位に 躍進の原動力はラノベと児童書?

予測されるサイバー攻撃の余波
ここで留意する必要があるのは、2024年6月に発生したサイバー攻撃の影響で、KADOKAWAの紙書籍の出荷が大きく影響を受けたことだ。2024年11月7日に発表されたKADOKAWAの2025年3月期第2四半期決算の補足資料によると、平常時の3分の1まで国内紙書籍の出荷が減少したという。人気があってもすべてを重版することが難しく、優先順位を付けて応じていったというから、機会損失を被ったものも少なからず存在しているだろう。この結果、通期の業績で国内紙書籍に関しては、32億5000万円ものロスが生じる見通しという。
それでも、丸善ジュンク堂書店の売上げに関しては、2023年より金額を伸ばし1位を獲得したというのだから驚くしかない。2024年11月には平常時の水準まで回復したとのことで、フル操業に戻ったKADOKAWAの出版分野におけるプレゼンスは、今後ますます高まっていきそうだ。
これほどまでの出版社が、ソニーとの連携で傘下にあるアニメの制作能力やゲームの制作能力だけを求められているといった見方をされるのも心外だろう。海外におけるライトノベルやコミックの出版でも地歩を固めており、世界でも屈指の出版社でありIPの発信元、アニメの送り手として、引き続き世界の関心を集め続けることだろう。
























