『光る君へ』なにが画期的だったのか? 『源氏物語』専門家に聞く、大河ドラマで「女性のパワー」描いた意義

古典エッセイストが見た『光る君へ』

 話題を呼んだラストの一言「嵐が来る」は武士の時代が来ることを象徴したものだと考察されているが、2025年1月5日にスタートする次回作『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』も、天下泰平、文化隆盛の江戸時代中期を舞台にした「合戦のない大河ドラマ」だ。大塚氏は、今後への期待をこう語る。

「『光る君へ』を見ていて常に頭に浮かんでいたのは、<日本紀などは、ただ、片そばぞかし。これらにこそ、道々しく、くはしき事はあらめ>(日本紀のような歴史書は、ほんの一面の事実しか記されていない。 物語にこそ道理に叶った、詳しいことが書かれているのだろう)という『源氏物語』の物語論。確かに、歴史書には権力者に都合の悪いことは書かれず、物語でしか描けない真実もある。本作ではまさに物語と歴史の境界でエンタメを作っていく大河ドラマの醍醐味が感じられたので、次回作にも期待したいですね」(大塚氏)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる