「古いものもあって楽しい」俵万智、投稿ハガキのX話題 「銭」「厘」単位の切手の使用は可能なの?

■俵万智のXが話題に

俵万智の公式Xより@tawara_machi

 歌人の俵万智がXを更新。自身が選者を務める短歌コンテストと思われる応募ハガキの画像を投稿し、「郵便料金が値上がりして、古い切手をかき集めて貼ってくる人が多い」「いろいろあって楽しい」とつづっている。添付された画像には、主に1960~70年代に発行された色とりどりの記念切手が貼られたハガキが写っていて、華やかである。

 先月、郵便料金が大幅に値上げされ、84円だった封書は110円に、63円だったハガキは85円となった。これに伴い、今まで使っていた切手には差額分を貼り足さなければならなくなった。すなわち、封書は26円、ハガキは22円が余分にかかる。金額としては小さいが、大量に郵便を送る企業にとっては結構痛い出費だ。

 先日、新橋駅前のビルにあるチケットショップの前を通りかかったら、やはり1960~70年代に発行された10円、20円の記念切手を大量に買い求めている人がいた。コレクターではなさそうだったので、おそらく切手の差額分の足しにしようとしているのだろう(そもそも切手のコレクターの数は少ないため、滅多に遭遇することはないのだ)。

■切手には使用期限はあるのか

 さて、切手に関する一つの疑問がある。切手には使用期限があるのだろうか。今年デザインが一新されたお札の場合、戦後に発行されたものはほとんど使用できるが、一部に使えないものもある。また、単位が“銭”の紙幣は使えないし、コインも同様だ。戦前に発行された紙幣は多くが使用できず、金額が“1円”の“日本銀行券”は使うことができる。

 一方で、図書券は使用期限がないので、古いデザインの100円や500円の券も使うことができる。ビール券をゴルフのイベントなどで貰ったまま引き出しに放置している人もいるかもしれないが、有効期限が記されていない古い券は、差額分を足せば問題なく使える。また、普段ビールを飲まない人でも、コンビニなどで金券代わりに使うことができる。

 切手の話に戻そう。実は、切手は戦前に発行されたものもほとんど使用できるのだ。しかも、紙幣やコインと異なり、単位が“銭”のものでも使えるのである。1銭、3銭、50銭のような単位でも問題ない。なお、“銭”の下には“厘”という単位もあり、過去には5厘切手、1銭5厘切手などが発行されているが、使用可能である。

 ただし、当たり前だが、現在では“銭”単位の郵便料金は存在しない。そのため、50銭+20銭+5銭+25銭といった具合に貼り足して、無理やり1円にする必要がある。そのままポストに投函してもいいし、窓口で差し出してもいいが、そんな切手を見た郵便局の担当者はさすがに困惑するだろうなと思ってしまう。

■古い切手は積極的に使おう

 ただし、注意事項がある。第二次世界大戦の戦中、そして終戦直後に発売された軍国主義的な絵柄の切手に限っては、使用することができない。これは当時、GHQから軍国主義を連想するとして使用が禁じられたためで、追放切手などと呼ばれる。と言っても、そもそもそんな時代の切手を貼って郵便を出す機会があるのかというと、まず、ないと思うが。

 東京オリンピックの頃に発行された切手は、かつて祖父や父がコレクションしていたりして、家の中に眠っていることが多い。悲しいことだが、この時代の切手はほとんどプレミアがついておらず、チケットショップに持ち込んでも額面以下で買い取られることが多い。発行枚数が多すぎるのと、切手のコレクターが減少しているためだ。

 ならばぜひ、眠っている切手を活用してみてはいかがだろうか。短歌や俳句のコンテストに応募してもいいし、絵手紙を描いて親しい人に送ってみると喜ばれる。ちなみに、“推し”の声優やアイドルにファンレターを書くのもいい。アイドルもネットや握手会のやり取りが中心になり、手紙を貰う機会は減少しているので、ファンレターはかなり喜ばれるのだ。

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