『ブルーロック』その男、オシャ! ピッチに舞い降りた長髪の貴公子・蟻生十兵衛

『ブルーロック』雷市陣吾の魅力

華麗さの奥に滲む泥臭さとのギャップ

 前述の通り空中戦には群を抜いた強さを誇る蟻生。対戦相手が予測できないところからリーチを生かしたプレーで相手の攻撃の目を摘み取り、相手ゴール前では誰よりも高く、そして誰よりも早く空中に舞い高打点のへディングでゴールを脅かす。身体的特徴を最大限活かしたプレーが蟻生の強みと言えるだろう。

 元々ブルーロックプロジェクトに参加した選手は全員がストライカー。蟻生もブルーロックの世界で上位にランクインされるだけの高い得点能力を併せ持った選手だが、その体躯と意外にも献身的なプレーはディフェンスの局面において更に進化を遂げ、ブルーロック選抜VSU-20代表とのビッグマッチで真価が発揮される。

 前半終了間際に日本の至宝、糸師凛の兄であり新世代世界11傑にも選出されている糸師冴(いとしさえ)の超絶ミドルシュートを後ろ回し蹴りの要領でスーパーセーブをしてみせたのだ。U-20の猛攻を耐えきり、日本サッカーに新たな時代の到来を予感させた男、蟻生十兵衛。攻撃力に加え青い監獄での経験を経てディフェンスラインの要としても存在感を発揮していることからも蟻生のポテンシャルはまだまだ底が見えない。

 理想とするプレーの基準が美しいのか、そうでないかで判断する所も個性が光るポイントだ。自らのオシャ道に従いひたむきにプレーするその姿から、目が離せない。

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