『ブルーロック』凪誠士郎&御影玲王はなぜベストパートナーなのか 映画版での躍動が期待される二人の関係
人気サッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/作画:ノ村優介)のスピンオフ作品『ブルーロック-EPISODE 凪-』を題材とした映画『劇場版ブルーロック -EPIOSODE 凪-』の制作が決定した。
「別冊少年マガジン」で連載中の『ブルーロック-EPISODE 凪-』は、『ブルーロック』本編の人気キャラクターである凪誠士郎が主人公で、世界一のストライカーを養成する“青い監獄”ことブルーロックに入寮する前日譚が描かれている。その映画版である『劇場版ブルーロック -EPIOSODE 凪-』では、凪の視点からブルーロックでの戦いを再構成した新たなストーリーになるとのことだ。
主人公として映画が制作されるまで至った凪誠士郎とは、いったいどんなキャラクターなのか。彼は「めんどくさい」が口癖で、サッカーをしていないときはゲームをしたり寝ていたり、無気力な描写が多いのが特徴だ。しかしサッカーセンスは抜群で、筋肉のしなやかさを活かしたトラップ能力で意表を突き、相手を置き去りにする天才プレーヤーである。ビジュアルも美しく、このギャップに惹かれるファンが多そうだ。
そして、凪を語るうえで欠かせないのは、御影玲王というバディの存在だ。才色兼備で社交的、経済的にも恵まれていることから、幼い頃から欲しいものはすべて手に入れてきた。たまたま観たサッカーW杯で優勝したいと思った彼は、凪の才能を見出し、サッカー部に引き入れて「2人で世界一になる」ことを目標に掲げてきた。
凪同様、御影もサッカー歴は半年と短いながらもセンスは抜群。事実『ブルーロック-EPISODE 凪-』では、全国出場常連の強豪校をほぼふたりだけで崩す場面もある。原作『ブルーロック』での人気も非常に高く、2022年の7月に公式が行った最新の人気投票では凪が3位、玲王が6位という結果。そんなふたりの息のあったコンビプレーは、読む者を熱くさせる。
ふたりは紛うことなきゴールデンコンビだ。しかし、『キャプテン翼』の大空翼&岬太郎のような、お互いをストレートに認め合う友情で結ばれた安定的なコンビではない。関係性は今も変化し続けており、それが二人の大きな魅力になっている。お互い未完成/未成熟で、しかし根底で強烈に惹かれ合い、高め合う存在だからこそ、二人はベストパートナーなのだ。玲王の一方通行に見えて、凪は彼をきちんと尊重している。
『ブルーロック』本編の一次選考で、凪たちの「チームV」は主人公・潔世一を擁する「チームZ」とぶつかり合う。序盤に攻勢を仕掛ていたチームVは、そのまま試合を有利に進めるかと思われたが、後半はチームZの攻勢によって失速。幼い頃から失敗したことのない玲王の焦燥感に満ちた表情を目の当たりにした凪は、初めて試合中に自分からパスを要求するというシーンがある。主体性のなかった凪が、いつでもリードしてくれた“相方”を引っ張っていく印象的な場面だ。
また、二次選考では突然、凪と御影が散り散りになってしまう。ネタバレを避けるために詳細は省くが、凪は信頼しているからこそ一時の別れを選び、裏切られたと思った御影は自身が彼にとって必要不可欠であることを示すべく動くことに。認め合いながら、思いが届かないもどかしさは、恋愛関係にも似ている。
お互いに一筋縄ではいかず、一癖も二癖もあるが、熱い友情で結ばれたふたり。その関係性が『劇場版ブルーロック -EPIOSODE 凪-』ではどんな形で表現されるのか、今から楽しみで仕方がない。