アニメ化決定『ボールパークでつかまえて!』 プロ野球観戦がしたくなる、異色の“野球漫画”の魅力

『ボールパークでつかまえて!』の魅力

日本国民に愛されるスポーツ、野球

 ここでプロ野球が国民的人気を誇るスポーツであることを端的に示しているデータを紹介したい。それは1試合あたりの平均入場者数だ。

 2024年の平均入場者数は実に3万人を超える。人気球団となれば4万人前後にまでのぼる。それが年間で143試合も行われるのだ。いかに野球というスポーツが多くの人間の日常に溶け込んでいるかという証明だろう。

 ホーム球場だけに限ってもその試合数は約70試合にもなる。球場の主役はあくまでプレーをする選手達ではあるが、いつものメンバーで試合を楽しむ観客同士や球場で働く人々にだってそれぞれのドラマがある。球団職員、売店の店員にビールの売り子。もはや会場の一部と化している常連客や球場の安全を守る警備員1人1人にも、この球場で紡いできた歴史とチームに重ねる想いがある。

 この作品を読んでいると、まるで球場が1つの小さな街であるかのような感覚にも陥る。肩肘張らずに、ただ心から野球を楽しむ気持ちで読みたい作品だ。

 アニメが公開された暁には、メガ盛りウルトラ弁当をつつきながらビール片手に、ボールパークを楽しんでほしい。

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