『呪術廻戦』意味深な「指」の描写は何を意味する? ここにきて高まる“釘崎復活”への期待
最後に主人公トリオの共闘が実現する?
野薔薇といえば、遠隔で対象にダメージを与えられる芻霊呪法の使い手。とくに「共鳴り」は、人形(ヒトガタ)を介して相手の肉体の一部分に呪力を流すことで、本体の魂へとそれを反映させるという仕組みだ。宿儺の魂が宿っている指は、「共鳴り」のための格好の素材だと言えるだろう。遠く離れた場所から攻撃できるという点でも、宿儺の魂に直接ダメージを与えられるという点でも、野薔薇の術式がこの上なく輝く舞台が揃っている。
しかも第266話では、今まで生に絶望しきっていた伏黒がわずかながら息を吹き返し、宿儺による肉体の支配に抵抗する気配を見せていた。今後さらに抵抗が強まるとすれば、虎杖と伏黒と野薔薇という主人公トリオの活躍によって、ラスボスを撃破するという王道のクライマックスが待ち受けているのかもしれない。
問題は、野薔薇が「渋谷事変」にて一度死亡していることだが、現状の扱いは「復活の余地がある」という状態。死亡直後に処置を行った新田新の口から、「助かる可能性は0じゃない」と説明されていた。もし復活を果たすのであれば、この局面を措いてほかにはないだろう。
ただし前回掲載された第265話では、虎杖が命を落としていった死者たちに想いを馳せる場面があり、その顔触れに野薔薇が含まれていた。これをもって死亡が確定したと捉える読者もいたようだ。
しかしこれはあくまで虎杖の主観を反映した描写なので、本当に死亡が確定したとは言えないはず。むしろ呪術高専サイドは宿儺に情報が漏れないよう、虎杖に対して情報を徹底的に秘匿していたはずなので、「虎杖が知らないだけで野薔薇は復活していた」という可能性は十分ありえるだろう。
なお作者の芥見下々は、これまでいくつかの媒体で物語の結末を匂わせるような発言を行い、読者に大きな衝撃を与えてきた。とくに有名なのが2019年のジャンプフェスタで、主人公トリオと五条悟を含む主要キャラクター4人について、“1人だけ死ぬか3人が死ぬか”のいずれかの末路を辿る……と匂わせていた。
あくまでリップサービスだった可能性もあるが、今の展開はこの構想のうち、“1人だけが死亡する”ルートに向かっているように思えてならない。虎杖以外がほぼ死亡した状態にあるなか、伏黒と釘崎に復活の兆しが見えてきたからだ。
もちろんすべては憶測の範囲を出ないが、完結までに残された5話で、すべての真相が明らかになっていくはず。ジャンプ+とゼブラックでは、245話分の『呪術廻戦』順次無料公開キャンペーンも始まっているので、過去のエピソードを振り返りつつ結末を予想してみるのも楽しそうだ。
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