『呪術廻戦』五条悟と乙骨憂太に何が起きた? リカの反応から“入れ替えの謎”を考察

『呪術廻戦』五条悟と乙骨憂太に何が起きた?

■五条の身体をもつ乙骨が誕生?

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

※本稿は『呪術廻戦』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

 “最強”同士の戦いが始まって以来、激動の展開が続いている『呪術廻戦』。とくに今ファンたちが気にかけている点と言えば、「五条悟と乙骨憂太の身に何が起きているのか」ということだろう。今回は6月10日発売の『週刊少年ジャンプ』28号(集英社)に掲載された第262話「人外魔境新宿決戦(34)」の内容を踏まえつつ、考察を行ってみたい。

  現在の戦況は、両面宿儺の領域展開が猛威をふるう一方、すでにこの世を去ったはずの五条が舞い戻ってきたところだ。その正体は、羂索の術式を利用して五条の肉体に自分の脳を移した乙骨であり、すなわち“五条の身体をもつ乙骨”が誕生したことになる。そして乙骨と宿儺は互いに領域展開を発動し、小さな結界のなかで高度な競り合いが始まった……。

  ここでやや不可解だと思われたのが、完全顕現したリカが乙骨の死体を抱きながら涙を流しているシーンが描かれていたことだ。乙骨は宿儺の斬撃で致命傷を負ったものの、すんでのところで五条への乗り換えを成功させ、生き延びている。そうした経緯をリカも知っているはずなのだが、なぜ乙骨のもとを離れ、乗り換え前の肉体に寄り添いながら泣いているのだろうか。

  その理由については、たとえば「乙骨が肉体的に死んだことを受け入れられず、嘆いている」という風に理解できるだろう。すなわち乙骨の脳が五条の肉体を操っていることを知ってはいても、それを受け入れられずにいる……という解釈だ。

  ただ、今のリカは独立した呪霊ではなく、乙骨の外付け術式。そこまで感傷的な動機に基づいて行動するのかどうかは疑問ではある。また、乙骨がふたたび生死を賭けた戦いに臨んでいる以上、それを手助けしにいかず、ただ泣いていることには違和感を抱かざるを得ない。

  それでは、リカが“乙骨との別れを確信している”としたらどうだろうか。というのも、乙骨は現状完全に復活を遂げたわけではなく、羂索の術式の性質次第でやがて死亡することが明かされている。

  もし羂索の肉体を乗り換える術式が「単発」で発動するタイプのものであれば、リカの完全顕現のタイムリミットである5分が過ぎた後も術式の効果は消えず、「五条の肉体に乗り換えた乙骨」として生きていけることになる。しかし羂索の術式が常時運転を必要とするタイプであれば、リカの完全顕現が終わり、羂索の術式を模倣できなくなった時点で肉体か魂のどちらかにエラーが起きてしまう……というわけだ。

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