【漫画】Xで5.4万いいね! バイト先のコンビニで世界征服をたくらむ怪人と出会う読切漫画がなぜかエモい

【漫画】怪人、コンビニに現る

――本作の人気について、ご自身としてはいかがですか?

窓口基(以下、窓口):沢山の人に読んでもらえて嬉しいですね。

――本作の着想や制作のきっかけについて教えてください。

窓口:もともとは連載中の漫画『東京入星管理局』の合間にコンパクトな読み切りを考えていたんです。そのなかの企画のひとつが本作でした。連載の方は登場人物が多く、バトルや事件の規模も大きくなりがちなので、コンパクトな会話劇にしようと先に「主要キャラは2人」「場所は固定」と条件を決めていきました。

 それから、もともと怪人が好きだったのとアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』を観て「音楽をやっている主人公を描きたい」と感じたのもあってか、悪の組織が倒された怪人と女の子が一緒にコンビニバイトする物語になりました。

 それから後に『少年ジャンプ+』の担当編集さんにネームを見てもらう機会をもらい、めでたく掲載されることになったんです。

――「怪人がバイト先にいる」という違和感から、「自分が小さな世界」「人の夢を笑うことはない」などエモい展開になっていきます。これについて意識したことなどは?

窓口:怪人の夢といえば世界征服。それには恐らく大規模な破壊や破滅、理不尽、抑圧が付きものです。だから、それ自体を肯定的に描くことは難しい。でも悪い夢でも夢は夢。目標に向かって歩き出す、歩き続ける姿勢は応援したいです。

 毎週ヒーローに倒されても懲りずに悪事を企てる悪役に、チャレンジし続ける勇気をもらってもいいじゃないですか。そんなわけで、夢を持った怪人と夢を諦めかけてる人間が「夢」という一点で交差するポジティブなお話にしてみました。

 長い人生の中の一瞬や、いち側面にフォーカスして描けるのは短い読み切りの強みだな、と今振り返れば思います。

ーー作画やキャラデザインについてはいかがでしょう?

窓口:韮沢靖さんの怪人デザインが好きなんですよ。それもあって「自分もいつか描きたいな」と思ってました。『東京入星管理局』には多くの宇宙人が登場しますが、人間離れしたデザインの方が面白いかなと考えて、人型のものを描く機会があまりなかったですね。怪人を描くために本作を作った節もあるのかもしれません。

 あと情報量の多いゴチャゴチャしたキャラを描くのは好きですが、漫画だと何度も同じ人物を色々な角度やポーズで描くことになるので、連載のキャラは控えめにしているんです。でも読み切りは20ページほどなので、思い切ってトゲトゲにしました。さすがに大変でしたが楽しかったです(笑)。

――第1巻が先日発売になった漫画『冒険には、武器が必要だ!~こだわりルディの鍛冶屋ぐらし~』はどんな作品ですか。

窓口:剣と魔法の冒険ファンタジーで、武器鍛冶屋を目指す女の子が発想力で暴走したりするお話ですね。華やかで壮絶な冒険のちょっと外側では、毎日畑を耕したり、パンを焼いたり、冒険者から素材を買い取ったり、冒険者用の武器を作ったりする人たちがいる。そんな人々に焦点を当てた異世界日常ファンタジーがお好きな方にオススメです。

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