『ブルーロック』世界を蹂躙する王の姿に刮目! 日本が誇る天才MF糸師冴の魅力に迫る

『ブルーロック』糸師冴の魅力

 日本国内の有望な高校生FW300人が集められた「青い監獄」と呼ばれるストライカー養成特殊施設、ブルーロック。そこで負けたら即退場の生き残りをかけて決死の戦いが繰り広げられるデスバトルサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。過酷な競争を生き抜いたメンバーによって選抜されたブルーロックイレブンの前に立ちはだかる最強の壁とも言える存在が、日本サッカー界の至宝、糸師冴(いとし・さえ)だ。

実力を兼ね備えたビッグマウス

 若くしてその実力を評価され、世界屈指のビッグクラブの下部組織に所属することになり単身スペインに渡った冴。各国の有望な若手選手が選ばれる新世代11傑にも名を連ねた将来性豊かなMFだ。卓越したテクニックにFWばりの得点能力、針の穴を通すような正確なスルーパスでチャンスを演出するキック精度も魅力的だ。さらにはハーフタイムで化粧水を使用している様も描かれており、保湿への意識も非常に高いことが伺える。

 しかしその性格はお世辞にも品行方正とは言い難い。厳しい海外リーグで揉まれたからなのか元からなのかは知れないが、己のエゴ全開の傲慢な言動が目立つ。

 メディアの取材では「日本でプレーするのは死んでも嫌」「俺は生まれる国を間違えただけ」といった過激な発言には、自分は日本というサッカー後進国には収まり切らないスーパーな選手だというプライドが見え隠れする。

イタリアの王子様を彷彿とさせるプレースタイル

 実在するプレーヤーではイタリア・セリエAのASローマ一筋で活躍し「王子様」のあだ名でも多くのサポーターから愛された攻撃的MF、フランチェスコ・トッティがイメージに近いだろうか。

 ドリブル、パス、シュートと全てのプレーが超一流の選手だ。当時世界でもトップレベルのリーグと評価されていたセリエAで、特に伝統的な守備の固さが特徴的なリーグにおいて、250得点をマークした得点能力の高さは万能型MFの名に相応しい勲章だ。

 そして相手GKを嘲笑うかのようなチップキックや、ミドルシュートやフリーキックでも幾度となく相手ゴールを脅かした。さらには多彩なパスのバリエーションを持ち常に高い精度で次のプレーを予測し、正確に味方に供給するパサーとしての能力も抜群だ。フィジカル偏重の現代サッカーに置いて、ある意味絶滅危惧種である糸師冴のプレーは、ファンに愛され続けたトッティ同様、いつも驚きと興奮を巻き起こしてくれるのだ。

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